みずみずしく、さわやかな甘さの洋ナシは、ルイ14世の大好物で、ヴェルサイユ宮脇の「王の菜園」には、今でも数多くの種類の洋ナシが植えられている。そんな洋ナシの走りがウイリアムスpoire Williams。ほとんどの洋ナシの皮は黄褐色だけれど、このナシの皮は美しい黄緑色で、朱がさしていたりする。ざらざら感がなくとろけるような肉質、その高貴な香り! フランス産だけといわず世界のナシの中でも女王格だ。もちろん皮をむいてそのまま食べるのが一番だが、丸ごと皮をむいてから、砂糖のシロップで煮て冷まし、バニラアイスクリームを添えて、温かいチョコレートソースをかければ、ベルエポックがそのままよみがえるようなPoire Belle-Hélène 。このナシが丸ごと入ったホワイトリカー漬けeaux de vie «poire Williams»も絶品。5月頃、ナシが形になりはじめた時に瓶をかぶせて、そのまま成長させ、7月末頃に枝から切り取るのだが、成功率は40%くらいだという。しばらく置いてから、ホワイトリカーに漬け込んでできる。(真)