会計監査院は4月2日に公表した報告書で、フランスの映像産業および映画産業は公的援助の増加に比べ、パフォーマンスが悪いと厳しい苦言を呈した。同報告書によると、国立映画センター(CNC)、地方自治体、税金などによる同産業への公的な直接援助はここ10年間で88%も増加し、2012年度で6億ユーロに上る。とくに、テレビなどの映像産業は欧州他国に例を見ないほどの公的援助(2012年は3億3200万ユーロ)を受けているが、視聴率は低く、輸出も停滞し、質も悪いと厳しく批判。ただし、TV映画やドラマ、アニメ、ドキュメンタリーについては品質がある程度確保されており、そうした分野に資金を投入することを奨励している。映画産業については、2012年のボネル報告書に基づいて改革が進められているためか、それほどシビアではない。テレビ局や配給業者などからの供出金増加により資金確保は改善されたが、その上映・放映の機会が少なすぎると懸念を示す。製作映画数を減らして質を高め、テレビ放映できるまでの期間を短縮して国民の映画視聴の機会を増やすことを提案している。(し)