フランス滞在13年、「もう充分にいた」◎Postics(40歳、京都市)

 2012年11月、京都に移り住んでちょうど3年を迎えるイラストレーターのPosticsさんは、1996年11月1日に渡仏して、ちょうど13年後の2009年10月31日に日本に戻った。
 1994年に大学を卒業し、アルバイトで渡仏費用をため、1996年にフランスへ。語学学校に通いながら、デザインを学べる学校を探すが、当時はまだインターネットも発達しておらず、めぼしい学校を直接見て回った。1997年、授業料も格安で雰囲気も気に入ったLISAAに入学。いま思えばつたないフランス語でよく入学審査に通ったと思う。
 学校で驚いたのは、とにかく、考え方を重視するところ。コンセプトとかプロセスとか。「イラストでも説明は大事だなと思った」という。考えることの大切さを教えてもらったことは、いまでも作品を制作するときやプレゼンするときに役立っている。
 パリに来た当初は、こんなに長く外国生活に自分が耐えられるとは思っていなかったが、パリは居心地が良かった。「ちょっと我慢すればお金もあまりいらない」し、「まわりから干渉されない」、「自分さえ納得できていれば」生きていけるところだった。ところが2008年(36歳)、日本に戻ろうと決めた。そのきっかけは三つ。1)滞在資格の問題がおこってきた。2)彼女が日本に帰った。3)両親が歳をとってきた。
 仕事はそれなりにあったし、パリは暮らしやすかったが、いろいろな意味で「危機感」がでてきた。もうパリでのらりくらりとやっていてはいけないと感じた。そして、日本に戻ると決めてからは一年も経たずにパリを離れた。
 パリの生活を振り返って、懐かしく思うのは、いろいろな出会いの場であった「フェット」。けれども、食べ物は別に無理して美味しいパンとかを探さないし、映画もあまり見なくなった。フランスの話題も、大きなニュース以外は、フェイスブックで誰かが話題にしているのを見る程度。いまの生活にあまりフランスっぽいことはない。お店に入ると挨拶をしてしまうことと、フランス語で独り言が出るくらい。フランスのカルト・オランジュ(2010年よりNavigo)やSNCFのいろいろな割引に比べ、日本では交通費が高くつくのが不便に思うが、初めて暮らす京都もずいぶん居心地が良くなってきた。
 日本で仕事をしていると、色使いとかがヨーロッパっぽいとよくいわれるが、自分では意識していないという。逆にフランスにいたときは、日本的だといわれた。13年もフランスにいたが、やっていることは、わかりやすい意味でフランスっぽくないが、きっと世界に通用するに違いない。イラストもパソコンと通信環境があればどこでもできる。もうしばらくしたら、京都っぽいといわれるかもしれない。(樫)


写真:パリではポンピドゥー・センターで作品が展示されたことは嬉しかった(2000年2月Flyingcoloringwall)。現在も、ポンピドゥー・センターのウェブサイトの子ども用ページで紹介されている:

www.junior.centrepompidou.fr/


13 ans en France, « J’y étais suffisamment » Postics, 40 ans, Kyôto

Novembre 2012, cela fait tout juste 3 ans qu’il s’est installé à Kyôto après juste 13 ans de vie parisienne entre novembre 1996 et octobre 2009. Illustrateur, Postics est arrivé à Paris pour entreprendre des études de graphisme pendant 3 ans à LISAA. Ce qui l’a le plus marqué dans les cours, c’est l’importance du concept et de l’explication verbale, même pour les travaux de graphisme.

Au début de son séjour à Paris, il ne pensait pas pouvoir supporter aussi longtemps une vie à l’étranger. Or, vivre à Paris lui a laissé un bien agréable souvenir. Mais en 2008, à 36 ans, il décide de rentrer au Japon. Trois raisons lui ont inspiré un sentiment de « crise » dans cette vie parisienne bien cool jusqu’alors : 1) Les problèmes de renouvellement de sa carte de séjour, 2) Le retour au Japon de sa copine, 3) Ses parents devenus âgés.

Au Japon, on lui fait remarquer souvent que sa façon d’utiliser les couleurs a une touche bien française. Et en France, on lui dit que ses illustrations ont un air bien japonais. Peut-être que tout cela traduit un métissage culturel? Dans quelques années, on lui dira que c’est très kyôtoïte !

www.postics.com


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