●フーリエとユートピア。
シャルル・フーリエ(1772-1837)は、リヨンの商人として働き、もうけのためには平気でウソをつく産業社会を批判して、アソシアシオンによる生産と消費の共同体「ラ・ファランジュ」と、ファランジュによる共同生活施設「ファランステール」を構想。共同体成立の基盤は、自然の欲望を抑制しない「情念引力」だと主張した。
ゴダンのファミリステールは、この「ファランステール」から取ったもので、ファミリステールの建物の形や配置は、フーリエの構想図にかなりよく似ている。
エンゲルスは『空想から科学へ』で、サン・シモン、フーリエ、オーエンの3人を、偉大な空想的社会主義者として評価し紹介している。ただし、この「空想」という言葉は堺利彦の訳語で、もとは「ユートピア」。
共産主義への幻想が消え、一方で政治の力の及ばない投機的な経済が生活を脅かしている今、フーリエや、ユートピア社会主義の考えが見直されている。
●ギーズ公の城跡。
ギュイーズの中心街の西の丘に、16世紀に権勢をふるったギーズ公の城塞跡があります。
観光案内所の裏手、教会前の坂道を上り城門のトンネルをくぐる。11世紀から築かれた中世の要塞は、北と東を見晴らす要地にあってギーズ公によって拡張され、北ヨーロッパ有数の大きな城塞になっていた。
14世紀の百年戦争、19世紀のドイツとの戦争、20世紀の2度の大戦と、戦争の度に破壊された城は、円筒形のドンジョン(天守塔)が残るだけ。
と思ったら、地下には大広間と台所や牢獄、それらを結ぶ長い地下道が隠れていて見学できる。時々コウモリもいます。この発掘と修復は、50年前から世界中の若いボランティアの手で進められ、今も続いている。
丘の上から、ファミリステールとギュイーズの街が見渡せます。
Château fort de Guise
2月〜11月。10h-2h、14h-18h(冬は17時)。
月曜休み(7・8月は無休)。ガイド付き。6?/2.5?。
Club du Vieux Manoir 03.2361.1176
●列車とバス
パリ北駅からSt Quentinまで約1時間20〜40分。10h37発がバスの接続もいい(11h50着)。
列車、日によって変るけれど通常片道24?くらい。
サンカンタン駅右手の陸橋下からGuise行きバスで終点Guise, Place Lesurまで約1時間10分。
朝7h32発の後、昼間は10hと12h28発だけ。夕方17h(土曜は16h)。
帰りは12h25発か、18h05(土曜は17h05)。
日曜運休。往復13.34€。
●ホテル
バス停近くのHôtel-Restaurant de Guiseしかない。
wで50€。朝食15€。ここのレストランは20€程度。
103 place Lesur 03.2361.1758
●観光局
2 rue Chantraine 02120 Guise 03.2360.4571
www.ot-guise.fr
ギュイーズの町では「売家」の看板が目についた。