11月24日、英小売マークス&スペンサーがパリ・シャンゼリゼ大通りに1500m2の店舗をオープンした。2001年3月に突然、フランス市場からの撤退(18店舗)を決めてからちょうど10年。電子メールや報道で閉鎖を知らされた従業員にとっては苦い思い出だろうが、フランスの消費者が閉店を惜しんだことも事実だ。同社の仏子会社は同年にユーロ換算で、2億4300万ユーロの総売上に対し4700万ユーロの赤字を計上し、欧州大陸の他の20店と同様にやむなく撤退した。しかし、英本国での業績が回復したことに伴い、国外の売上を現在の5億ポンドから2013〜14年には10億ポンドに倍増する新たな国際戦略を立てており、フランスへの復帰はその一環だ。
同社はすでに10月にフランスにおけるオンライン販売を開始しており、今回のシャンゼリゼの店舗のほか、2012年以降にパリ15区(4600m2)、ルヴァロワ・ペレ(7000m2)などに4店舗、さらに3年以内に軽食を売る5店舗をいずれも首都圏にオープンする予定だ。「M&S」のフランスへのカムバックに注目したい。(し)