フィヨン首相が11月7日に明らかにした緊縮財政策の一つに、付加価値税(TVA)の軽減税率である5.5%が適用されている商品・サービスについて、食品、電気・ガスの使用契約料金、障害者向けの商品・サービスを除き、7%に引き上げるという施策がある。
この中間税率の新設によって18億ユーロの歳入増をもたらすのが政府の意図だ。この措置を含む予算案が国会で可決されれば、2009年に19.6%から5.5%にTVA率が下がったレストラン業界に再び動揺が起こりそうだ。TVA引下げと引き替えに、給与引上げや雇用増を業界は約束した。その結果、この2年間に3万5600の雇用が創出され、TVA引下げ特別手当(1人当たり平均500ユーロ)などが創設されたが、またTVAが引上げになるとその影響は必至だ。また、1999年から5.5%になった住宅の改修工事へのTVA率のおかげで5万3千の雇用が創出されたとされている建設業界にも大きな影響が出そうだ。さらに、書籍もこの中間税率が適用される予定で、ただでさえ苦しい出版業界はさらに打撃を受けるだろう。(し)