8月19日、ヨーロッパの主要株式市場は軒並みに下がり、2009年以来の最低値を記録した。ロンドンは前日比1.01%安、ドイツは2.19%安、フランスのCAC40は1.92%安で、3000ポイントを下回った。とくに欧州中央銀行が、欧州のある銀行に5億ドルの融資を行ったことが17日に判明したため、銀行の資金調達能力や業績が懸念され、BNPパリバは3.77%安、ソシエテ・ジェネラルは3.33%安など、銀行株が下がった。22日にはかなり持ち直したものの、金融機関への信用不安はぬぐわれていない上、ユーロ圏諸国の財政危機とその財政緊縮策のため、金融市場における資金調達条件がさらに厳しくなるとの観測がもたれている。16日の独仏首脳会談でも、ユーロ共同債の可能性は却下され、ユーロ圏信用不安への具体策は提示されなかった。仏国債の格下げの噂も聞かれるなか、フィヨン首相は2013年に財政赤字を国内総生産の3%にすることを約束しているが、その基盤ともいえる今年の経済成長予測2%は経済界から実現困難と評されており、今後の赤字削減策の行方が注目される。(し)