当然ながら日本とフランスの小学校は違う。フランスは合理的と感心することも多いが、その一方で味気なさを感じることも。例えば日本にある「掃除当番」や
「給食当番」が、フランスには存在しない。掃除は掃除婦を雇ってるようだし、給食は食堂があり大人がご飯をよそってくれる。ミラの場合は去年、東京の小学
校に体験入学をした時に、初めて校内で掃除や給食当番を経験した。これがなかなか面白かったらしい。フランスに帰ってきてからも「ママは下手ねえ」と、ご
親切にも私から雑巾を取り上げ、絞り方をレクチャーしてくれたものだ。だからミラに「フランスにも掃除当番や給食当番があった方が楽しいのにね」と同意を
求めると、意外にも「ない方がいい」とつれない返事が。「勉強だけで超疲れるのに、掃除までしたらもっと疲れちゃうよ」とのこと。たしかにフランスは授業
が週4日だけなので、生徒は朝から夕方までキツキツで授業を受けている。そこに掃除などが加わっては大層重荷になるのだろう。
さて最近私が耳か
きをしていた時のこと。ミラが「日本の小学校で習うの?」と感心して聞いてきた。日本では勉強以外のいろんなことも教えてもらえると思ったのだろうか。フ
ランスには耳かきはないので、私一人で耳かきを操る姿はかなり高度な技に映ったようだ。このまま「母はすごい」と思わせておこうと思う。(瑞)