重過ぎるカルターブル。

 ミラと私の口論の種になるのが「カルターブル(小学生のカバン)」。あまりに重いので、荷物を少しでも減らすように言うが、聞く耳を持ってもらえない。ミラは「全部いるんだよ」と主張するが、ポケモンカードの束や謎のイラストが鞄の底に沈む様を見ると、こちらとしては納得できない。結局ミラに重いカバンを持たせるのが嫌で、いつも私が持つハメに。その繰り返しだから、ミラも努力をしない。私の背中は、ノートルダムのせむし男こと「カジモド」一直線である。
 我が家に限らず小学生の重過ぎるカルターブルは、ちょっとした社会問題といっても過言ではない。新学期時期にはメディアも警鐘を鳴らしている。「子供の体重の10%以下の重さに」と小児科は訴えるが、統計によるとCM2(小5)のカルターブルの平均重量は7.5キロだとか。教科書が頑丈な上、カルターブルそのものも重め。宿題の内容を写す専用ノートなど、日本にない必需品まである。だから中にはキャリー付きカバンで登校する児童もいる。遠目にはスチュワーデスみたいでカッコよいが、フランス名物犬フンをひく恐れがあり、使用には注意が必要だ。 
 さて先日、在仏日本人の子供に無償配布される教科書を大使館に取りに行った。どの教科書も薄くて軽く、国語や算数にいたっては上下巻に別れていた。きっと子供を思い軽めに作ってあるのだろう。あらためて祖国を誇らしく感じた。(瑞)