ストや封鎖による原油・ガソリン不足、そして国鉄や長距離トラック運転手のストが続くなか、経済活動のさまざまな面に影響が出始めている。原油から作られるアスファルト不足で、一部の地域では土木・建設会社が工事の中断に追い込まれ、影響をもろに受けている石油化学業界は、スト・封鎖の損害を1日当たり1億ユーロと見積もっている。ガソリン不足による陸上輸送、ストによる鉄道輸送への影響は多くの産業部門にダメージを与えるだろう。空港のストもパリ、マルセイユなど各地で行われており、エール・フランスはスト1日につき500万ユーロの損失と概算。
ところが、10月20日付ルモンド紙に掲載された仏景気観測所OFCEのエコノミストのコメントによると、1年のスパンでみるとストが経済に及ぼす影響はごく限られているという。3週間に及んだ1995年のストは同年の国内総生産を0.05ポイント押し下げたにとどまり、2007年のスト(10日間)の損害は95年の半分。今回のストの損失はまだわからないが、グローバルにみるとそれほどではないということだろうか。(し)