ビネガーには、アルコールから作られるものと、白ワインあるいは赤ワインから作られるものがある。
アルコールビネガーvinaigre d’alcoolは、小さなタマネギやコルニションを漬け込むときに使われる。マッシュルームやアルティショーが変色しないように酢水に浸すときもこのビネガーで充分。
白ワインビネガーvinaigre de vin blancは、スカロールやチコリのような、味のあるサラダ菜用のビネグレットソース、魚介類を煮るときのクール・ブイヨン、肉を漬け込むタレなどに使われる。白ワインビネガーに、タラゴンやクルミの香りをつけたものも市販されているが仕上げに加えて香りをこわさないようにしたい。シードル酒から作られるビネガーは、白ワインビネガー同様に使う。このビネガーでトリやサバを煮込むとうまい。
赤ワインビネガーvinaigre de vin rougeは風味が濃いので、レタスのような味の薄いサラダ菜用のビネグレットソースに。肉やレバー料理の味をひきしめたりする時もこのビネガー。
他にもシェリー酒から作られるビネガーvinaigre de xérèsやバニュルス酒から作られるビネガーvinaigre de banyulsなどがあり、香りが一段といい。バルサミコ酢vinaigre balsamiqueは、主に甘い白ブドウを原料にし木の樽で数年間熟成させて作る。酸味が弱く、香り高い高級品。
昔ながらの方法でカシの木の樽の中で熟成されたビネガーは〈vinaigre vieux à l’ancienne〉と表記される。