クリスタル製品の彫り職人 — 職人のプライドが まぶしい。

 「きっと綱渡り師の心境に近いと思う。いつも心の平静さと調和が大事」。ジャン=リュックさんの仕事は、調度品の表面に名前や図案を刻むこと。誕生日、結婚、出産などのお祝い品に記念の模様を施す。15区にある彼のアトリエはクリスタル製品を専門に扱うものとしては国内唯一だ。
 定番商品はグラスや水差し、花瓶、ペーパーウェイトなど。また個人客だけでなく有名ブランドの限定香水ボトルに模様を手がけることも多い。かかる時間はまちまちだ。イニシャルの彫刻なら5分程度。図案なら平均3、4時間。世界最大の時計見本市に出品したスイス時計の彫刻には3週間以上もかかった。
 依頼仕事だとはいえ、絵柄はジャン=リュックさんの案が採用されることも多い。そんな時はアーティストとしての活動に近いようにも見えるのだが…? 「いえ、私はあくまでアルチザン(職人)。芸術家と自分で言う輩(やから)はあんまり感心しないね」。眼鏡の奥に鋭い眼光がのぞく。これまで彼は独学で技術を発展させてきた自負がある。ボザールで石への彫刻を学んだとはいえ、クリスタル製品専門の彫り込みを体系的に学んだわけではない。ルーヴルやバカラの美術館に出かけてはクリスタル作品の細部を観察し、スケッチしながら研究に励んだ。道具も年々改良を加えた。技術に裏付けられた彼の職人的プライドがまぶしい。
 さてジャン=リュックさんは剣道や日本語も習っていたという日本びいきのお方。アトリエの並びにはおいしい日本料理屋「小雪」があり、当然彼も常連のひとりだ。「料理をはじめ日本には素晴らしいものが豊富。変わるべきでないところは、いつまでも大切に守ってほしいね」。時にはかなげに見えるクリスタルに、永遠の想いを込める孤高の職人さんのメッセージを胸に刻みたい。(瑞)

Monogramme : 30 rue Gramme 15e 01.4532.3246
http://pagesperso-orange.fr/monogramme/


ショールームであの人へのプレゼントを考えましょう。


ジャン・リュックさんは日本びいき。
仕事机の上には愛娘と富士山の写真が飾られている。


水差しへの模様が完成しました。


ヨーロッパ的なデザインが並ぶ。

ぜい沢な哺乳瓶。


 

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