欧州連合(EU)が推し進めている管制空域の合理化に抗議する仏航空管制官が2月23日にストを開始した。このため、ロワシー空港で25%、オルリー空港で50%の欠航となるほか、多くの空港で影響が出そうだ(23日現在)。
EUが1999年から推進する「空の統合」計画は、現在各国で行っている航空管制を、2012年からEU27カ国の空を9つに分割したブロックごとの管制に再編し、飛行時間を短縮するとともに、空の交通を整理して安全性を高めることを目指すものだ。フランスはドイツ、オランダ、スイス、ベルギー、ルクセンブルクとともに最大の中央欧州ブロックに入る。仏政府は同ブロック参加国に統一管制組織の設立を呼びかけており、管制官労組はそのために仏民間航空総局(DGAC)が解体され、12 000人の職員(うち管制官4400人)の雇用削減や労働条件悪化を恐れている(DGAC局長は解体を否定)。管制官といえば、わずか年99日の勤務で月給6500ユーロという労働条件を会計監査院から非難されたばかり。確かに統一組織になれば、この恵まれすぎた労働条件は「悪化」することになりそうだが…。(し)