日本では見かけないフランスの小学生必携の道具とは? 答えはペンで書いて消せるミニホワイトボード、「アルドワーズ」。ジルの時代はミニ黒板にチョークが主流だった。毎年新学期前には色とりどりの縁がついたアルドワーズが店頭に並ぶ。
使うのは算数とフランス語の授業が多い。問題を出された子供たちは、先生の手を叩く合図とともに一斉に答えが書かれたアルドワーズを上にあげる。なんだかテレビのクイズ番組に参加しているようで楽しそうではないか。算数だったら主に計算の答え。フランス語だったら筆記体の練習、反意語、読解問題の答えを書き込ませたりと用途は無限大。ミラに言わせれば「アルドワーズをみんなが一緒にあげるから、いろんな色があってjardin(お庭)みたいになってキレイ。緑とか青、紫、ピンクとかある」のだとか。でもノートがあるのになぜわざわざアルドワーズなのか。それは生徒の理解度が一目瞭然である、授業に全員参加させられる、素早く書いて消せるのでテンポある授業になるといった長所があるから。ちなみにこの授業法は19世紀前半にリヨンの小学校で編み出されたもので、この小学校の名をとり「マルティニエールのメソッド」などと呼ばれている。
日本では数年来、フィンランド式の教育ばかりに注目が集まっているけれども、部分的にこんなフランス式を取り入れてもよさそう。(瑞)