バイクから眺める パリは違う表情になる。

 去年の今ごろ、初めてパリの街をバイクで走った。メトロから降りて散々歩き回って見慣れた街並みでも、バイクから眺めると、まるで違う表情を見せてくれることに驚いた。歴史的建造物が次々と私に迫ってきて、まるで映画のワンシーンの中にいるよう。ルーヴルの、夜空に浮かぶシャンデリアのイルミネーション。シャンゼリゼから凱旋門を抜けるたくさんのまばゆい光たちを見た時、呼吸をすることすら忘れてしまった…など、バイクは、私の「乙女心(?)」に火を点けてくれる刺激に満ち溢れていたのだった。それだけじゃない。バイクに乗ってパリの街を回ると、駐車場にも困らないし、どこでも好きなところに自由に行ける。最高だ。
 ところが、ここまでくるまでには、長い道のりがあったのだ。バイクの購入は、来仏後すぐに決めていた。新車か中古か悩んだけど、パリで見かけるバイクには、どれも「大蛇のようなチェーンロック」が前後タイヤに付いているし、またタイヤとその鎖だけが柱に無残に残っている盗難後の光景を見て、万が一の際にも財布と心のダメージが小さい中古にしようと決めた。
 近所のバイク屋さんに出かけると、私好みなスタイリッシュなデザインの出物を発見♪  すぐに購入を決め、各種手続きや支払いを済ませ、車両保険に加入して、納車までは1週間。と、ここまでは順調だったのだが、続く名義変更でつまずいてしまった。滞在許可書がレセピセ状態だったため、名義変更ができないと追い返されてしまったのだ!  名義変更ができたのは、何と4カ月後。ふぅ、なんと長い道のりだったんでしょう。
 しかしバイクでパリを見た瞬間、そんな苦労は吹き飛んでしまった。皆さんも、バイクを買ってみませんか。パリをもっと好きになること請け合いだ。もちろん“大蛇チック”なチェーンロックの、セット購入もお忘れなく。(和)