ため息のでる中世美術と、 歴史のある学生街。 |
|
サンジェルマン大通りとサンミッシェル大通りの交差点に位置するクリュニー・ラ・ソルボンヌ駅(10号線)。そのすぐ横にあるローマ時代の共同浴場の遺跡を含む、クリュニー中世美術館を訪れた。以前にも訪れたことはあったが、不運なことに修復中か、貸し出し中だったかで、有名な『貴婦人と一角獣』のタピスリーを見たことがなかったのだ。 特別展のためか、第1室、2室と順を追うのではなく、まず2階へ上がり、23室から22、21と順路を逆回りに見学。他の見学者もあれあれっという表情で、順路を逆に進んでいる。お目当ての『貴婦人と一角獣』は2階端、円形の薄暗い特別室にあった。想像よりずっと大きく、保存状態も素晴らしく、細部まで間近に見られる展示に思わずため息がもれる。5感を表すという5枚のタピスリーと、「私の唯一の望み A mon seul désir」と題された6枚目の解釈が謎めいていて興味深い。貴婦人の周りにたたずむユニコーンやウサギ、サルなどの動物たちの表情が実にいい。 展示の最初に「ご自由にお取り下さい」と設置されたパンフレットにも注目。所蔵品を例にして、中世の髪型や髪飾りを説明しているので、これを片手に見学するのも面白い。 必ず寄りたいのが、美術館裏にあるクリュニー辻公園。中世をテーマにした花壇や菜園は独特だし、緑が多いため木陰も多く、夏の暑い日でも涼しめる気持ちのいい公園だ。 この周辺は、歴史ある学生街。また観光地でもあるので、インターナショナルなバーやレストランもいっぱい。ひとつひとつ探検するのも面白そうだ。(里)
アーティチョークの仲間 |
|