piment(ピマン)は唐辛子のこと。今回のレシピで使ったエスぺレット産唐辛子はpiment d’espelette。そしてピーマンはpoivronという。日本のものよりひと回り大きく、身も厚く、緑、黄、赤があざやかなものが八百屋の店頭に並んでいる。スペイン産の少々細長く辛いものもある。フランスでは皮は消化が悪いとされていて、皮むきでむいたりしてから調理したり、サラダに入れたりする。マグレブや東欧のユダヤ系の人たちは、皮をこんがり焦がしてからむくことが多い。こうすると香りもぐんとよくなる。去年の夏のバカンスはハンガリーで過ごしたけれど、さすがに、パプリカ(赤ピーマンの粉)はどこのレストランでも活躍していた。ピーマンのピクルスも瓶詰めなどで売っている。白いものもあり、それが唐辛子のように辛くてビックリした。これではpoivronというよりpiment!
フランス料理ではピペラードやラタトゥイユのような野菜料理に入ったり、バスク風にトリや海の幸などと一緒に煮込まれたりする。一般的なピーマン料理といえば、肉やマッシュルーム、米などを詰めたピーマンのファルシpoivron farci。