企業ブランド調査会社Universumが最近公表した学生の就職人気企業ランキングは経済危機を見事に反映している。この調査は、グランゼコール93校(経済商業系、技術系)を中心とした17 000人の学生を対象にしたアンケートをまとめたもの。経済商業系では、1位がLVMH、2位はロレアル、3位はエール・フランス。カナル・プリュス、グーグル、ダノンがそれに続く。技術系では、EADS(宇宙航空)、ヴェオリア・アンヴィロヌモン(水道・環境)、EDFが上位3位で、アレヴァ(原子力)、タレス(防衛通信電子)、グーグル、ダッソー、トタルと続く。高級ブランド、コスメ、エネルギー・環境産業、高度な技術力を誇る大企業は不況でも不動の人気を確保している。逆に人気を落としたのは金融関係(経済商業系で7位につけた優等生BNPパリバを除くと米仏の大手銀行は軒並み大幅なランクダウン)や建設、自動車。一方、5月18日にパリで開催された官公庁・公立病院の就職見本市には昨年を大幅に上回る入場者が詰めかけた。寄らば大樹の陰で、不況時に人気がぶり返すのは公共部門というセオリーは健在だ。(し)