先週のこと。「パンツはきついからイヤだなあ」。パジャマに着替えていた時、ミラが突然、「アンチパンツ宣言」をしてきた。寝る時にパジャマのズボンははくけれど、中のパンツは邪魔だからもういらないのだそうだ。「スカスカしてヘンじゃない?」と聞いたら、「ヘンじゃない。この国では誰もはかない。サラもはかない」ときっぱり。最近サラちゃんの家にお泊まりに行ったから、影響を受けたのだろう。
たしかにフランスでは、夜にパンツをはかない派の人が多い。ジルもそうだった。日本人の私としては、パンツなしで眠るフランス式にはかなり違和感を感じてしまう。とはいえ、断固反対するほどのことでもないから、ここはミラの好きなようにさせることにする。しかし、ミラがこうやってパンツを拒否するのは、しっかりフランス人の身体感覚を身につけていってることを意味する。そんなことは自然な流れであるわけだが、私としては一抹の寂しさも。思わず、「さすがミラちゃんはフランス人だね」と皮肉をこぼしてみる。するとミラはすかさず「日本人もいるですよ!」とニコッ。すっとぼけたミラの言い回しに、思わず吹き出してしまった。
だが、ミラは本当にすっとぼけていただけだろうか。意外に、日本人ママに気を遣った優等生発言だった気もしてくるのだ。5歳娘に気を遣わせてしまうのは、避けたいものだが。(瑞)