こちらに来て間もないころ、友人の両親をアランとかエレーヌとか呼ばなくてはいけないのがツラかった。今は慣れたが、これはフランス在住日本人にとっての大問題。というわけで、今回のアンケート* の質問は、「会社の上司や友人の両親、または義理の両親など目上の人をファーストネームで呼ぶことに抵抗がある」かどうか。日本にはない習慣なので、抵抗ある人が多いのではと予想したが、「抵抗ある」46%、「抵抗ない」54%と、過半数は抵抗がないという結果に。
抵抗があると答えた人のコメントとしては、「義理の両親は今でも呼べない」「会社の上司は抵抗ゼロでも、義理の両親には抵抗がある」「自分の上司には抵抗ないが、主人の上司などには抵抗がある」「対日本人の場合は」「相手に頼まれたら努力する」と、切実な悩みにもなりかねない。
抵抗がない人は、「苗字では親近感がわかない」「皆がそうしているから」とあっさりしている。
次いで、「tutoyerやvouvoyerの使い分けにとまどうことがある」かどうかも質問したところ、76%の人がとまどうと答えている。
とまどう人としては、「結婚して5年。他人行儀だといわれ、義両親にtutoyerで話す努力をしている」「親近感の度合いや、知り合って間もない時など」「よく分かんないのでとりあえずvouvoyer」「特に年配の方との間で」「久しぶりに会う年上の知人に、以前どうだったか忘れて迷う」「親しくてもvouvoyer。英語圏では丁寧語がなく、今の環境が気に入っている」「年上の人とのtutoyerもここ数年で親しみの印と感じるように」「義理の両親からはtutoyerでも、私はvouvoyerとかしこまってしまいがち」というコメント。
とまどわないと答えた人からは、「親しさの度合いであうんの呼吸でわかる」「迷ったら相手に聞く」「相手に従う」「初対面の相手には、子供以外はvouvoyerのみ」といったきっぱりとした回答。(里)
*2008年4月 OVNI 編集部調べ。