いろいろな職業に携わる人たちをルポする特集の第三弾は、メトロの駅構内で大きな広告ポスターを貼るサエドゥさん。サエドゥさんや彼の同業者の機敏であざやかな仕事姿に見とれる人も多い。これらの広告に対する意見はさまざまで、さまざまな理由で反対する人の中には、ポスターにスローガンを落書きする人もいる。広告ポスターを貼る仕事をしているサエドゥさんは、そんな落書きを冷静に受け止めている。「マリ・セネガル(昔は一つの王朝だったんだ!)」の出身という彼がフランスで仕事を得る大変さ、そして与えられた仕事に対する彼の誇りを、取材を通して垣間みることができた。
実際に糊付け、壁貼りを体験させてもらったが、なんとテクニックを要することやら! 翌日の肉体の痛みを通して彼らの仕事への関心は深まるばかり。メトロのストライキの時でも、毎日毎日貼り続ける彼らのその姿を思い浮かべると、メトロ構内の広告ポスターを見る姿勢も変わるのでは。(麻)