ディズニーランドのパスポート。 N° 623 連載コラム 2007-12-15 私も日本にいたころは、消費文化にどっぷり浸かっていたものだ。それが9年前に渡仏し、エコロ青年ジルの影響もあり、浪費生活にきっぱりとサヨナラを告げた。「欲しいものは買わない。必要なものだけ買う」と念仏のように繰り返すようになった。グローバリゼーションを激しく憎んだ。生まれ変わった自分に酔ったりもした。 だがジルと別居後、オープン15周年記念のためにユーロディズニーランドの年間パスポートが安く買えることを知った。行きたい。ミラも目を輝かせて行きたいと言う。でも悩んだ。2カ月悩んだ。そしてようやく購入を決めた。私はきっと、ストイックなエコロ生活に少し疲れていたのだ。たまには罪悪感を感じることなく無駄な消費もしたい。体に悪いものも食べたい。ミーハーに浮かれたい。というわけで、月に一度位の割合で、ミラとディズニーランドに通うようになった。案の定、消費文化の旗手ミッキーに尻尾を振る娘の姿に、ジルは不満顔。だがもう別居しているのだから、ある程度は好きにやらせてもらうことにする。もちろんミラの健全な発達が一番大事なので、ディズニーランドの功罪については、常に意識していくつもりだが。 ちなみに、一人になって自由にできるようになって嬉しいもうひとつのことといえば、ミラへの「耳かき」だ。アンチ耳かき派ジルの冷たい視線から解放されて助かった。(瑞) Share on : Recommandé:おすすめ記事 ミラとバカンスに出発した。 当たり前、とは限らない。 限りなく義務に近い寄付。 重過ぎるカルターブル。 スポーツウェアで登校。 ミラがラブレターをもらった。