OVNI 615 : 2007/8/1

「首相は、国会が唯一の基盤になっているような政体なら存在価値があるけれど、フランスでは必要ない。私たちの政治制度のなかでは混乱を招くだけだ。与党は、ニコラ・サルコジという名前のもとで選ばれたのであって、フィヨン首相の名前のもとではない」

7月18日付のパリジャン紙で、ジャック・ラング氏の発言。


7月22日朝、イゼール県の国道85号線で、47人のポーランド人巡礼客を乗せた観光バスが15m下の谷に転落して炎上、26人が死亡、14人が重傷を負った。現場は急な坂で、大型トラックやバスの通行は禁止されている。
「ブレーキがきかない!」と運転手が叫んだと乗客が証言。

220.9カ月

住宅金融局の調査によると、2007年度上半期のフランスでの住宅ローンの平均返済期限は220.9カ月(約18年半)であることがわかった。この数年の不動産価格の高騰の影響か、2006年度の212.1カ月よりは約1年近く伸びている。2001年度は166.3カ月で約14年間で返済されていた。なお現在の各ローンの平均金利は年4.03%。またローンの返済金額は年収の3.89倍。

●サルコジ大統領、就任初の革命記念日
 サルコジ大統領は就任後初めての7月14日(革命記念日)を迎え、ここでも過去との「断絶」という信条を誇示した。恒例の演説はせず、大統領府のガーデンパーティーには事件・事故などの被害者ら2000人を招待。シャンゼリゼ大通りの軍隊行進は、欧州連合(EU)加盟27カ国の兵士を招き、EUの結束を演出した。また、シャン・ド・マルスで行われたコンサートではミシェル・ポルナレフの出番に大統領が激励に駆けつけるなど、活発に動き回った。
●ラング氏、国家改革委員会に参加決定
 ジャック・ラング元文化相は7月16日、サルコジ大統領が推し進める第5共和制の改革を策定する委員会に加わることを明らかにした。憲法改正、国民議会議員選挙への比例代表制導入、大統領の国会での発言権など国家制度に関わる重要な改革を模索する。委員長はバラデュール元首相。ラング氏の委員会参加で、社会党の分裂はさらに深刻に。さらに24日、ミッテラン大統領の顧問だったジャック・アタリ氏も、経済成長を促すための規制緩和などについて検討する委員会の委員長職を引き受けた。
●減税措置法案、国民議会で可決
 7月16日、サルコジ大統領の公約である一連の減税措置を盛り込んだ〈税制パッケージ〉法案が国民議会の第1読会で、民衆運動連合(UMP)の賛成多数で可決された。主な内容は、残業分の給与に対する免税、配偶者(PACSも含む)への相続税廃止、直接の相続者でない子供の相続税については控除額を5万ユーロから15万ユーロに引き上げ。高額所得者の所得税、連帯富裕税(ISF)などを合わせた最高税率を現在の60%から50%に引き下げ、中小企業へ投資した納税者に対しては5万ユーロを上限としてISFの75%減税など。
●シラク前大統領、事情聴取
 シラク前大統領は7月19日、元共和国連合(RPR)職員のパリ市による架空雇用疑惑に関して4時間にわたって事情聴取を受けた。シラク氏は同日付のルモンド紙上で、「組織的な(RPR資金調達)システムはなかった」と申し開き。一方、クリアストリーム疑惑で、ジャン=ルイ・ジェルゴラン元EADS副会長は18、20日の両日、事情聴取を受けた。同元副会長は、2004年5月に当時のシラク大統領の命を受けたドヴィルパン首相から、偽の口座リストを予審判事に送るよう指示されたことを認めている。
●ブルガリア人看護師ら釈放、帰国
 リビアで438人の子供をエイズウイルスに感染させた罪で死刑を宣告されていたブルガリア人看護婦5人と医師1人が7月24日、8年ぶりに釈放され、フランス機でブルガリアに帰国した。この事件は拷問を受けて自白した冤罪とされており、欧州連合(EU)が釈放に向けて働きかけていた。リビア司法当局と被害者の家族との間に慰謝料支払いで合意が成り(被害者一人当たり100万ドル)、リビア高等司法評議会は7月17日に死刑判決を取り消して終身刑とし、本国送還が決定。EUとリビアの交渉では、リビア側はEUとの関係正常化、経済協力の約束を取り付けたといわれる。サルコジ大統領がセシリア夫人を現地に派遣してカダフィ大佐との交渉に当たらせたことに、EU各国のメディアはスタンドプレーと非難。
●ツール・ド・フランス、またドーピング
 ツール・ド・フランスが再びドーピング問題に揺れた。7月21日に行われた第13ステージで優勝したアレクサンドル・ビノクロフ選手(カザフスタン)からドーピング検査で陽性反応が出たことが、24日明らかになった。レース前にパフォーマンス向上のための輸血を行った疑いがもたれており、同チームが宿泊するホテルが家宅捜索された。優勝候補だった同選手がリーダーを務めるアスタナチームはレースを棄権。クリーンなレースを宣言していた今年のツールだが、相次ぐドーピング疑惑に関係者は落胆している(25日現在)。