昨年以来スター並みにメディアの表紙を飾り特集が組まれている、いま話題の人、セゴレーヌ・ロワイヤル。52歳。彼女は社会党議員であり、ポワトゥ・シャラント地方圏議会議長であり、元ジョスパン政権では環境、家庭、教育担当相を務め、オランド社会党書記長のパートナーであり、彼との間に4人の子供があり、美人で…と、彼女の長所を数えあげたらきりがない。 数日ごとに与党UMPの大統領選候補サルコジ内相と彼女がトップを競う世論調査が番付表のようにマスコミを賑わしている。4月20日付フィガロ紙では、第1回投票での彼女への投票予想率は34%、サルコジは30%、決選で彼女は51%、後者は49%と、社会党の他の候補希望者なども足もとにもおよばない人気度を見せている。ファビウス元首相やラング元文化・教育相、ストロース=カーン元経済相ら、社会党のエレファントたち(モーロワ元首相の巨体が由来)、そして前大統領選第1回投票で極右ルペン候補に破れ政界を去ったはずのジョスパン元首相も党内立候補前にロワイヤル氏がメディアを独り占めしていることに歯ぎしり。ライバル候補らは、彼女はどんなに人気があっても大統領になる道順、つまり首相や内相などの重要ポストを務めたこともなく、失業、財政赤字などへの施政方針も持ってないくせに、とロワイヤル氏を侮るが… 彼女は軍人の父親をもち、ダカールで生まれシャンパーニュの田舎でカトリックの家庭(兄弟姉妹8人)で育つ。オランド氏とは国立行政学院ENAの同級生。1981年にミッテラン大統領に見込まれ政界に入る。女性政治家としてのプラグマティカルな姿勢は、高校内での緊急事後避妊薬の無料給付などに表れている。そして外国の政治家としては、〈フレキシビリティ〉のある失業対策に成功したブレア首相をほめ、また米大統領選候補ヒラリー・クリントンを理想の女性政治家像としているとかで、ポストリベラリズム + 社会主義=?と党内で〈ロワイヤリズム〉の矛盾を指摘する向きも。 党内派閥を無視してまい進する彼女のブログ www.desirdavenir.orgには、独自の政治スローガン〈Ordre juste 公正な秩序〉や〈Securité durable 恒常的安定性〉に支持者の意見・提案が寄せられ、彼女が目指す「市 民参加の民主主義」が芽生えている。 公私ともオランド氏と完璧なパートナーシップを体現し、家族、秩序、道徳を重んじるセゴレーヌ・ロワイヤルは、左右両派に通用する現代版ジャンヌ・ ダルク?(君) |
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