Jean-Charles de Castelbajac デザイナー ノエルは夢の世界にあるだけだった。

 街が光の洪水に包まれ、ノエルを待つお祭り気分で色めき立ってきたこのごろ。オスマン大通りの壮麗を競うデパートのショーウィンドーで、今年、ギャラリー・ラファイエットのディスプレイを指揮したのは、デザイナーのカステルバジャックさん。
5歳まで暮したモロッコを後に、フランスに移ってすぐ、全寮制の士官学校に預けられた。厳しい戒律の中で過ごした彼に、ノエルを祝う温かい思い出はない。「親からサンタクロースは存在しないと言われてきたし、僕にとってのノエルは、想像上の夢の世界にあるだけだった」。カラフルな色使いと、テディ・ベアや犬のぬいぐるみを用いたポップなデザインが定評の彼の世界、今回のディスプレイは、子供のころから思い描いた「架空のノエル」の集大成だ。「まるで鍵を握るトランプの王様になったような気分だった」というショーウィンドーには、寄宿舎の硬いベッドで思い描いた、数々の絵巻物語が詰まっている。「子供たちはもちろん、親たちの目が星のようにキラキラ輝いているのを見て、嬉しくなったよ」
普段は、アンバリッドの自宅と田舎のシャトーを行ったりきたりの生活。天井の高さが11mもある、パリのスイートホームを選ぶ決め手となったのは、ここが以前ヨージ・ヤマモトのアトリエだったから。千年以上も続く伯爵家に生まれ、様々な伝統を受け継いできた。まるで中世のような非現実と、リアルな世界を行き来していると実感する。「昔“幸福”は、絶対的なものだと思っていたけど、今は些細な瞬間だと思う。例えば、朝のコーヒータイム、妻と出掛けるサックス大通りの朝市、城の庭でのバラの栽培…」。パリの生活で、最も情熱を感じるのは、隠された秘密の空間を発見すること。そんな時、こっそり壁に天使の落書きをほどこす。「パリ中のどこかに隠れている、僕の天使を見つけて欲しいんだ」。(咲)

 

●Galeries Lafayette
 「ノエル・ロワイヤル」がテーマの飾り付け。
中世のお城を抜け出したプリンセスは、自家用ジェットに乗り込み、NYで買い物。ブリジット・バルドーからブリットニー・スピアーズまで、大人も子供も胸躍るロック音楽にのって、ノエルの夢が輪舞する…。
40 bd Haussmann 9e
●Rarissime
 「過去の魂が彷徨う亡霊に出会えるよ」と、パリで最もミステリアスな場所とすすめてくれたアンティーク店は、昔ナポレオンが通いつめた床屋だった。貴族の末裔として、過去や歴史を継承する「義務の意識」を感じる彼の、思い出の宝物が一杯のブティックです。(咲)
18 rue Saint Roch 1er 01.4296.3049 M。Tuileries
12h-19h30(日・月休)。


走る落書き


 

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