20世紀初めのパリで、芸術家たちから巫女のようにあがめられていた作家ガートルード・スタインの家での昼食に妖精が招かれる。現代から時を遡り、妖精はエキセントリックな踊りとしゃべりでスタインたちを魅了し、タイトルどおり女王のごとく舞台に君臨する。スタインのサロンに集まる退廃的な面々、スタインと秘書のトクラスが繰り広げる老夫婦のような会話、そして呪文ともとれる妖精の語り、料理上手で知られるトクラスに妖精が料理されるのか、それとも妖精が魔法を使ってみんなを料理しちゃうのか、不思議な空間の中で時が流れていく。 文学と演劇の融合、オリヴィエ・カディオの文章をルドヴィック・ラガルドが舞台化する。妖精役V・ダッシュウッドの両性的な魅力、そしてスタイン&トクラスを演じるP・デュケンヌとL・ポワトルノー(2人とも男性)の異様な存在が、舞台効果とマッチして私たちをスタインのサロンへと運ぶ。この心地よさ、ちょっと癖になりそう。 |
Theatre National de la Colline : 15 rue Malte-Brun 20e 01.4462.5252 10日~18日/火19h、水-土21h、 日16h。13€-26€。 |
● Je sais qu’il existe aussi des amours reciproques ロマン・ギャリ(エミール・アジャール)の小説『Gros Calin』の舞台化。といっても主人公の長い独白の抜粋を イレーヌ・ジャコブが演じ、歌っていく。シンプルさとユーモアにあふれるギャリの世界を忠実に再現しながら、ビデオやシンセサイザーを用い、演出にモダンさと華を添えることに成功している。肩の力を抜いたようなジャコブの自然な演技がとてもいいし、1時間という長さもちょうどいい。 |
Theatre de l’Atelier : 1 place Charles-Dullin 18e 01.4606.4924 |
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