遠山景子さんは、パリにきて4年。ようやく自分のやりたかったことにたどり着いたところだ。 以前は書道教室などをしていたスペースを今年、和風サロン・ド・テとしてオープンさせた藤原さんと出会い、お互い意気投合。文化にしても、料理にしても肩ひじのはらないふだん着の日本を見てもらい、地元のフランス人と交流をもちたいという藤原さんの考えに共鳴し、彼女の手足となって活動する毎日だ。 藤原さんのサロン・ド・テでは、普通の家庭で食べられている日本の味をメニューに並べている。そして、そんな彼女の手料理とともに週末の夜には、日本舞踊と琴のソワレも開催。その日本舞踊を担当しているのが景子さんだ。 先日、第1回目のソワレが催された。題目は「隅田川」や「さくらさくら」、そして「六段」。料理を出すタイミングとスペクタクル。すべてが初めての試みなので緊張の連続だったそう。特に舞台があるわけではなく、食事をしているお客さんの間をぬうように景子さんが踊る。踊り手と観客の垣根がないから、見る側の興奮が景子さんにも伝わる。こうしたパフォーマンスの後で「Quelle soiree!(なんて素晴らしい夕べなの)」と観客のひとりだったご婦人がわざわざ感想を言いにきてくれて、「感動しました。本当にやってよかったと思いました」 景子さんは、日本ではフランス語を勉強し、いつかパリに住みたいと長年思い続けていた。また、茶道や華道、琴などを習っていたので、フランスで日本の伝統文化を普通のフランス人に見てもらえる、市民レベルでの交流に一役買えたらという願いがあったので、藤原さんとの出会いが夢の実現となったようだ。 これからも多くの人に楽しんでもらえる企画を模索中とのこと。(里)
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第1回目のソワレの様子。 ★「琴と日本舞踊の夕べ」 (食事+飲物付38euros 要予約)
*salon de the Ciel et Sable |