今年の9月5日に結婚したばかり、新婚ホヤホヤのパスカルさんとヒサノさん夫妻は、パリの北西、ラ・デファンスからトラムに乗り換えて一つ目のピュトーに住んでいる。というのも、パスカルさんはパン屋さん。彼が経営するパン屋とその製造所がピュトー駅前の商店街にあるからなのだ。朝は5時に出勤し、夜は8時半まで働く彼には、自宅は店の近くというのが必須の条件だ。 2年前、ヒサノさんが日本からやってきた当初は、店の2階が仮の住まい。ただし、朝起きたときにはすでに働いている従業員もいたので、パジャマのままトイレにも行けず苦労したのだとか。 二人のアパルトマンは、居間も寝室も全面がガラス窓になっていて採光が抜群でとても明るい。それなのに、昇降式の雨戸が半分閉まっているのはなぜ?「向いの建物から丸見えなんです。あと、ベランダで窓ふきしている時にからまれたりしたことがあったのでこわくて」。そっかー。見晴らしのいい部屋というのも難点があるのだ。「カーテンをつければいいんですけどね」。言われなければ気づかなかったが、そうすれば問題は解決だ。カーテンレールが壊れているので、カーテンをつけないまま今まできてしまったそうだが、「もう慣れました」とか。 実は、彼らが積極的に家を改装しないのにはワケがある。結婚もしたことだし、将来の子供のためにもと、より環境のいい隣街のシュレンヌに3部屋のアパルトマンを探しているところなのだ。今度は賃貸でなく購入する予定なので、家探しも当然シビアに。すでにいくつかの物件を実際に訪れてみたが、価格がべらぼうに高かったり、立地はいいけれど各部屋が狭いなど、条件にあったところがまだ見つかっていない。 現在の住まいは、近所にスーパーが数軒あり便利だし、休みの日には、バガテル庭園をサイクリングできるのもいい。 家具はイケア、電化製品はダーティ、スポーツ用品はゴースポーツで揃えたという、いかにもフランスの若いカップルらしい微笑ましいおうち。希望通りの物件が早くみつかるといいですね。(里) |
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忙しいダンナ様の仕事場。
自宅から5分のところにパスカルさんのパン屋さんがある。朝から晩まで働きづめのダンナ様の顔を見るために、ヒサノさんはたびたび彼のお店を訪れる。ごく普通の伝統的なフランスのケーキ屋さんも兼ねたパン屋さんだ。 お昼どきや夕方は、パスカルさんが厳選した自然な小麦粉を使った店自慢のシリアル入りや、トラディショナルなバゲットを求める人でいっぱいだ。その他の時間は、常連のお客さんが立ち寄ってパスカルさんとおしゃべりをしながら思い思いのお菓子を買っていく。そんな地元の人に愛されている店なのだ。 バニラとチョコの二層のムースとほろ苦いカラメルソースののった生地とのハーモニーが抜群のサンマルク、生クリームと苺をふんだんに使ったフレズィエが人気商品。他にも、クレープやマカロンなど店のおすすめは尽きない。 カラメルでコーティングしたシューを小高く積み重ねたクロカンブッシュなど、誕生祝いや結婚祝いのためのデコレーションケーキの注文も幅広く受けつけている。日本に5年滞在したとあって日本語も堪能なパスカルさん。オリジナルなケーキを注文したい人は彼に相談をしてみては。(里) |
*Le Chant du Pain : 51 bd Richard Wallace 92800 Puteaux 01.4772.0444 |