Flann o’Brien (6 rue Bailleul 1er 01.4260.1358) にて。未成年と思われるような人たちもまじえて、ほとんどがギネス。 カンパーイ! photo : taiyou |
3月17日は、聖パトリック (パトリス) の日。聖パトリックというと、アイルランドにキリスト教を広めた人。この日はアイルランド各地でにぎやかな行列が繰り広げられるのだが、今年は口蹄疫さわぎで、全面的に禁止になったようだ。 パリのアイリッシュ・パブも、聖パトリックの日はふだん以上のにぎわい。アイルランド人に混じってギネスのジョッキを飲みほし、聖パトリック祭に参加するぼくらのような “敬虔な” 野次馬も多い。パブによっては、アイルランド特有の小さな縦笛入りの楽団なども入り、熱気を盛り上げる。 以前はCarr’s (1 rue du Mont-Thabor 1er) など数軒だったアイリッシュ・パブも、そのくつろいだ雰囲気や、ギネスやアイリッシュ・ウイスキーのうまさでパリっ子をトリコにしてしまい、今ではなんと50軒近くになるという。 カウンターで「ワン・パイント・オブ・ギネス」と頼むと、店の人はジョッキに7分目ほどギネスを注ぎ、しばらく脇に置いておく。すると泡が次から次へと立ちのぼりガスが抜けていく。最後に優しくジョッキの縁まで満たすと、その泡はどこまでも緻密…。フランス人経営のカフェではこのガス抜きをやらないところが多く、そういう店のギネスは酸味が強く、胃にきつい。そのうえゲップが出る。 ギネスを飲みつつ目を閉じると、国花(?) のクローバーで代表されるようなアイルランドの青々とした野や谷、そして頑丈な手をした静かなる男たちが目に浮かんでくるようだ。(真) |