メトロで演奏をしているウクライナの音楽家たちが、本格的な民族音楽と舞踊の公演を劇場で定期的におこなっている。もともと本国の厳しい経済状況のために、3カ月おきにパリの地下鉄に出稼ぎにきていた音楽グループとパリに長年住んでいるロシア人女優との出会いから、劇場公演が実現された。 ある日、地下鉄で彼らの演奏を聞いたアリオナさんは、当時自分が教えていた演劇学校の催しで、コクトーの芝居に合わせて演奏することを頼んだ。その時の彼らの真摯な姿に感銘。そのお礼に彼らの活動を手伝い始めた。 2区にあるパリ市の文化施設の中の劇場を借りておこなう自主公演。いつもメトロで演奏をしている、ヴァイオリン、アコーデオン、フルート、ギター4人の演奏家に加え、ダンサー4人も加わり、中央アジアの国々の特色ある歌と踊りが目まぐるしく紹介される。ステージ上の音楽家たちも、自分たちの生まれ故郷にもどったかのように、楽しく歌い踊りながら演奏をしている。 アリオナさんは今ではすべての仕事をやめて、彼らとの活動に専念している。地下鉄でもいっしょに歌い、劇場公演では朗読、演出に加え、プロモーターとしての仕事もこなしている。300席ある会場は、毎回客数にばらつきがある。彼女の夢は、「この劇場がお客さんでうめつくされる日が早くくること」(尚) |
photo : taiyou これからの公演は4月7日、20日 90F *Salle Jean Dame: 17 rue Leopold Bellan 2e 06.8365.0760 06.8150.3552 |