クウァド・サックスの4人のサックス奏者はバリトンからソプラノまでのサックスの音色を駆使し、現代の風景を反映しているような音楽を創り出していく。4人とも、70年代末から80年代半ばにかけてパリの音楽シーンで人気を集めていた「アーバン・サックス」出身だ。その数十人のサックス奏者からなる「アーバン」を率いていたジルベール・アルトマンがこのCDでもエレクトロニック・ドラムを担当し、曲もすべて彼の作品だ。 流砂のごとく絶えず動きながらも均衡を失わない、コントラストの鮮やかな音世界が地平の向こうにまで広がっていく。ラストの “Creme fouettee” は、原始的なリズムとサックスの絡みが刺激的で、そのまま現代バレエに使えそうだ。(真) |