パリに接しているモントルイユ市に「型にはまらない音楽」を聞かせてくれるライブハウスがある、と聞いて出かけてみた。地下鉄9番線のRobespierre駅近くにあり、周辺にはトルコ料理店や安売りショップが並ぶ。店内は、吹き抜けの高い天井、少し高いフロアにはカウンターバー。画家のアトリエにでも来たような解放感がある。 昔から音楽が好きで、独自にコンサートの企画をしていたフィリップさんが、自分たちのスペースが欲しくなり、友人の協力を得て8年前にオープンした。当初はコンテンポラリージャズを中心にプログラムを組んでいたが、最近はもう少し幅広く「他の場所ではあまり聞けない音楽」に変わりつつある。ヨーロッパ各地のジャズミュージシャンの出会いの場としても知られるようになった。若い人たちのためにはワークショップを催し、地域に密着した活動も行っている。 今では、県や市からの援助金も貰えるようになり、総収入の50%を占める。しかし、数年前に援助がカットされそうになった時は、従業員全員でストを断行し、なんとか更新をとりつけたという。「援助を受けているライブハウスは珍しい存在だが、持続させるのは簡単ではない」とフィリップさん。(尚) 6月のプログラム 3日 : ブラジル人のサックス、イギリス人のベース、スペイン人のドラムスによる即興ジャズ。4日 : エストニア人のギタリストによる弾き語り。10~12日 : ベルギーのミュージシャン2人による、手作り楽器と声による実験音楽。15日 : サックスの ピータ・ブロッツマントリオ。18日、19日 : 15人以上の詩人、歌手、演奏家による夏休み前最後の大コンサート。 *一般80F、学生60F、会員40F (年会費200F)。 飲み物15F~25F (セルフサービス)。 *7 rue Richard Lenoir 93100 Montreuil 01.4287.2591 M:Robespierre |