(南)が推薦する6月のシャンソン。

★★★ Boucherie a la Maroquinerie
 フレンチ・ロックのファンには、ブーシェリー・プロダクション所属の人気グループたちが覇を競う、ライブ・ハウスの新名所「マロキネリ」での初夏開幕コンサートがおすすめ。
 「オヴニー」を運良く発行日に読んだ人は、5人組パリ・コンボへ。女性歌手ベル・デュ・ベリーの快いボーカルで、ジャズに影響されたジプシー音楽、さらにはオリエンタルなものからラテンまで、ステージはいつもエスニックな香りがいっぱい。ノスタルジックな雰囲気も手伝って、パリの下町の香りをいささかも失っていないところが親しめます。
 最近、めきめき頭角を現してきたブルターニュ出身のレ・ピールは、いろいろな楽器を器用に使い分ける5人組。地中海音楽からラテン、アラブ音楽など、さまざまなスタイルをクレープ・ブルトンで包み込む。メタリックなボーカルに辛口の歌詞内容。時々、ハードなジョークも飛び出します。
 レ・キャットル・ジャンは、ブルターニュ山岳地帯で伝承される民謡を歌うおじさん6人組。レ・ピールがクレープ・ブルトンなら、こちらは少々硬くなったガレット・ブルトンです。(南)
*パリ・コンボ(1日)
レ・ピール(2日~3日)
レ・キャットル・ジャン、ステファン・ブロック、フィリップ・マルリュ( 4日)
21時。70F /50F
*La Maroquinerie :
23 rue Boyer 20e 01.4033.3060



● Mela Musique
 さまざまな民俗音楽が聴けるのもパリ音楽シーンのいいところ。ヴィレット公園の “Mela Musique” で、4日から6日までの毎晩20h30 から0h30 、音楽で世界の端から端までを旅することができる。 
 4日は、メキシコ人とドイツ人で構成されたマリアッチ・ドス・ムンドスで始まり、アゼルバイジャンの歌姫ガンダブ・ギリエヴァ、南インドの劇的な踊りカタカリ、マリのグリオ、ディアバ・コイタの歌、そして日本の太鼓グループが登場する。5日は、アンサンブル・カスベックによるロシアやウクライナの民謡、ガンダブ・ギリエヴァ、エル・パロンによるフラメンコ、ケルト・ハープをバックにしたブルターニュ地方の歌、モロッコのメクネスからエクスタシーの境地をめざす儀式音楽。6日は、ドミニカ共和国やマルティニク島のミュージシャンたちが集まったスティール・ドラムのオーケストラ、カタカリ、アンサンブル・カスベック、ディアバ・コイタ。
 一晩券120F/100F/60F (16 歳未満)。同時にその場で、世界の飲み物や料理も味わえる。
*Grande Halle de La Villette
M:Porte de Pantin 01.4544.7230
● Le Temps du Maroc
 モロッコは音楽の交差点でバラエティーに富んでいる。南のモーリタニアの影響を受けたグナワ音楽、フェズなど古都のアラブ伝統音楽、アトラス山脈ベルベール族の音楽…。そんな音楽の一端に触れることができる貴重なコンサートに出かけてみたい。
 11日と12日は、古くからの詩や歌を現代に復活させようとしている女性歌手アミナ・アラウイ。18日と19日は、パーカッションやウッドを伴奏にアラブの伝統音楽を歌うナジハ・メフタ。25日と26日は、18人の音楽家からなるアルス・ノヴァが西欧音楽とアラブ・ベルベール音楽の接点を探っている作曲家アメッド・エシヤッドの曲を演奏。7月2日と3日は、DJ Abdelがモロッコのポピュラー音楽をリミックスし、ハリド・ベングリブが踊る。7月16日と17日は、盲目のサイッド・シュライビによるウッドの名演奏。
 開演はいずれも20h30。土曜日は15hから討論会、17hからファッション・ショーや演劇などもプログラムに組まれている。40F/25F。
*Couvent des Cordeliers : 15 rue de l’Ecole de Medecine 6e 01.4229.1212
●ノア・ローゼン
 リズムとハーモニーが複雑に絡んだテーマを見事にスイングさせるジャズピアニストといえばアンドリュー・ヒル。そんなヒルの影響をまともに受けながら、かつドビュッシーに通じる詩情を思いきり歌うのがノア・ローゼン。小さな体から繰り出されるエネルギーは一流だ。共演はサックスの J=L・グイヨネ、ベースのH・ビエルマン、ドラムスの E・ペロ。
3日と17日/21h30。70F。
*7 Lezards : 10 rue des Rosiers 4e
01.4887.0897
●冴木杏奈
 冴木杏奈が、ミス札幌からタンゴ歌手に転身してデビューしたのが12年前。「聴いた人が勇気を持てたり、希望を持てたり、そんな歌を歌っていきたいんです」と語る彼女は、1997年にはニューヨーク録音の『ベサメ・ムーチョ』を出し、タンゴだけにこだわらない、楽しい歌を聴かせてくれる。そんな彼女のパリでのライブコンサートは聴き逃せない。
27日/17h。100F。
*Salle Louis Lumiere :
4 place St – Germain des Pres 6e
問い合わせは01.5624.9509