19世紀から続く、パリの養蜂学校。
Rucher école du Jardin du Luxembourg
リュクサンブール公園を散歩中、“養蜂家、作業中。お静かに!”の看板と白い防護服に身を包んだ人々を見かけたことは?実はこれ、1856年発足、フランス最古の養蜂組合SCAによって運営されている、養蜂学校の授業の風景です。
そもそも組合誕生のきっかけは、19世紀当時、パリで行われていたパニエ式養蜂 (Panier:柳で編んだ籠を地面から少し浮かせて設置、籠の中にミツバチが自然に巣をつくる)に代わる、新たな養蜂方法の開発と普及のため。パニエ式は、採蜜の際、籠の中の巣をすべて取り壊さなければならず、そのたびに宿を失くしたミツバチが全滅していたのだ。結果、ハチミツを多く集める優秀なミツバチたちの数は減少、生態系の脆弱化が進んでいた。
そこで養蜂学校で教えはじめたのが、組合とも縁深かったシャルル・ダダン氏が考案したダダン式養蜂(Dadant)。現代のフランスにおける養蜂の主流で、木箱の中に擬似の蜂の巣を四角い額縁で囲んだ巣板を並べたもの。蜂の巣の中にハチミツが十分に溜まったら、巣板を一枚づつ取り出して採蜜できるため、以前のようにミツバチの命を奪う必要がなくなった。
現在も、この学校では毎年約100名の老若男女パリジャンが、一年にわたって養蜂を学んでいる。過去10年は、申し込み受付日の朝、すでに定員以上の列ができる盛況ぶり!また、9月末に開催され
るFête du Mielで販売されるハチミツも大人気だ。「でも、あくまでも学校なので、ハチミツは二の次。週一回パリの中心で緑に囲まれてミツバチと過ごす時間は、癒しのひとときです!」とは、卒業生でボランティア講師を続けているステファニアさん。
【info】毎年2月開講。週1回水曜または土曜。2017年度受講料260€。2018年度の受講申し込み受付は9月予定。詳細は下記まで。
Société Centrale d’Apiculture
la-sca.net 01.4542.2908