フランス国鉄(SNCF)のペット料金は、ペットの重量によって違う。6kg未満の犬や猫は7€だが、それ以上の犬は座席料金の半額で、しかも飼い主の座席の下に座らせなければならない。それができない大型犬は通路に座らせる他なく、通行の妨げになる上、人間の半額を払ったのに見合ったサービスが受けられなかった。
1年前、SNCFに同伴ペットへの配慮を求め、動物愛護団体 「AVA」が署名運動を始めた。きっかけは電気の故障で冷房が効かず断水となった車中で、2歳のスピッツが暑さで死亡した出来事だった。この運動の要求事項は①緊急の場合、動物にも水の入った救急セットを配る、②6kg以上の犬には口輪装着が義務だが、猛暑の場合は外して良い、③6kg以上の犬の乗車券を妥当な料金にするか、座席の半額料金で座席に座らせる、④ペット同伴車両を作ることだった。2万6000筆の署名をSNCFに提出したところ、今年6月、6kg以上の犬にも7€の料金を適用するという返答が得られた。
その他の要求にはまだ返事がないが、AVAは 「動物保護の第一歩」として歓迎している。バカンスにペットを連れて行く飼い主は多いが、バカンスの前に捨てられるペットも多い。料金引き下げは、ペットの遺棄防止にもつながるだろう。(羽)