国民議会(下院)議員577人を、全国577の各選挙区から一人選出するフランス総選挙の決戦投票が7月7日に行われた。左派連合が第一回の結果を逆転し首位となり178議席(メディアにより誤差あり)を獲得。マクロン大統領率いる与党連合は163議席。極右143議席、保守66議席の結果に。結果発表から一夜明けた、7月8日(月)の新聞の見出し。
「左派が上位。で、これから?」
決選投票では、世論調査の裏をかいた左派連合「新人民戦線」。
誰が首相のポストに就くのか。
「共和国戦線の勝利」
極右阻止のためなら、左派から中道、保守までが一丸となるのが、〈共和国戦線〉。
今回も多くの選挙区で候補を一本化した結果(RNを交えた三つ巴になった選挙区では、3番目の候補者が辞退)左派と与党連合は得票率で1位と2位の座を守ることができた。しかしながら今回の選挙では、その戦線を崩す例も多く見られた。
「すごい!」
左派のサプライズ逆転勝利。
〈共和国戦線〉のよびかけに有権者が応えたことで、極右RNは首位から第3位に下がったものの、絶対過半数をとれた勢力はなく、国民議会は三つ巴。
「平手打ち」
議席を増やしたものの、大敗を喫した極右RN。
国民議会の行方は?
「で、これからどうする?」
議席数では左派連合に次いだ2位のマクロン大統領率いる与党連合。
国民議会では、左派、与党連合、極右の賛成力がほぼ同数の議席を獲得。
マクロンは誰を首相に任命するのか。
「RN票に混乱させられる地方議員たち」
パリほか都市部で強い左派。しかしながら地方では極右RN票が圧倒的に強い。
6月9日の欧州議会選挙では、フランス全国の93%の選挙区でRNの得票率でトップだった。
長い間左派が治めてきた地域でも、人々が多く極右に票を投じるようになっている例をランド地方に取材。
「左派のサプライズ。どの与党が政治を司る?」
3勢力がほぼ同数の議席を確保した今回の選挙。
最大勢力となった左派連合内では誰を首相に立てるのか、またそれをどのように決めるのか。
「RNの失敗と、左派を認めざるを得ないマクロン」
極右の大敗。左派連合「新人民戦線」のサプライズ。
予測されていた最悪の事態を免れたマクロン陣営(とはいえ100議席を失った)と、保守LRは議席を守ることに。
「そして最終的に、左派が勝利。」
第一回投票では極右が首位、決選投票でも過半数をとることが危惧されていたが、予測は外れ、左派が首位に。内部でのもめごとが絶えない左派連合も〈共和国戦線〉により期待以上の結果を出し、左派もマクロン与党連合も失態を免れた。過半数のない国会でフランスは現時点では統治不可能。