
9月のメニューはこれだ!
数年前リールで短いバカンスをすごした。日曜の朝、ワゼム界隈にある朝市に出かけたら、ごったがえす野外の八百屋に小粒のイチジクがうず高くつまれている。キロ2ユーロ!味見させてもらったらその甘いこと!あわてて2キロ買ってしまった。半分は、洗ってから皮ごと砂糖といっしょに煮つめてジャムにした。しばらくは、イチジクジャム入りフレッシュチーズがわが家のデザートになってしまった。
アントレ
イチジクをつかったアントレは評判がいい。イチジクを皮つきのまま、くし形に切り、モッツァレラチーズと交互に並べ、生ハムを添えるのだが、イチジクの風味をこわさないように塩気が薄めのイタリア産のパルムJambon de Parmeにしたい。ドレッシングには、細かくみじんに切ったバジリコをたっぷり混ぜ入れる。
メイン
イチジクの甘酸っぱさは豚肉によく合う。豚のロース肉を焼き、バター焼きしたイチジクを添えれば、ビストロも顔負けのおいしさになる。
秋はキノコの季節だが、その先がけが小さく、オレンジ色をしたジロル茸だ。6月くらいから八百屋の店頭に姿をあらわすが、9月になると安くなってくる。かさの表面についている枯葉などをとりのぞいてから、ニンニク風味でバターいためにすればアントレにもなるし、肉料理の、季節感あふれる付け合わせにもなる。オムレツに入れてもうまい。おすすめはリゾットだ。ジロル茸は4人分で500グラムも入れば十分で、財布がいたまないのもうれしい。
魚ならイワシ!イワシ好きのモロッコ人やポルトガル人にとっては、なんといっても塩焼きだ。南蛮漬けにしてアントレにするのもいい。

チーズ
ウォッシュタイプの「くさい」チーズがおいしくなってくる。ノルマンディー地方には、リヴァロという名品がある。形がくずれるのを防ぐためにlaicheという草のヒモが3本ほど巻いてあるのですぐにわかる。よく熟したものは、表面がちょっとぬるぬるして、においはもろクサヤだけれど、その関門を突破すると、中身はとろけるようで、その深みのある味わいに思わずため息。ワインは、軽い赤では負けてしまう。たまのぜいたくと、ボルドーやコット・デュ・ローヌのコクのある年代物がほしい。

デザート
ウイリアムスwilliamsは、8月から10月にかけて出回る早生のナシで、ジューシー、すばらしい香り、上品な甘さ、洋ナシのトップに上げる人が多い。洋ナシは収穫されてからも少しずつ熟していくので、少し固めのものを買い、2、3日待てば食べごろになる。そのままかじるのが一番だが、クラフティもおすすめ。
ぜいたくなデザート、ポワール・ベル・エレーヌをつくってみよう。ナシ4個の皮をむいてから半分に切って芯をとりのぞく。鍋に水1リットルと砂糖150グラムを入れる。縦割りにしたバニラビーンズ1本も加え、5分ほど沸騰させてから、ナシを加える。再沸騰したら弱火にして15分煮る。そのままシロップの中で冷ましてからとり出し、バニラアイスクリームを添え、さらに熱いチョコレートソースをかければ、「美しきエレーヌ」という名前にふさわしい、見た目もあでやかなデザートになる。
