
夏のメニューはこれだ!
夏になって八百屋で目につくのは、大きく真っ赤なピーマンだ。南フランスやマグレブの人たちに愛されている野菜で、いろいろなレシピがある。二つに切り分けてから中の種をとり出し、子羊のひき肉などを詰めてオーブンで焼いたファルシが代表的なものだろう。トマトやナスといっしょにラタトゥイユにも入る。野外で熟したトマトtomates en pleine terreも並んでいる。温室育ちとはちがった甘さがあり、本来の酸みと一つになって格段のうまさだ。そのままサラダにするのが一番だ。

アントレ
赤ピーマンのサラダをつくってみよう。アルミホイルをしいたオーブン皿にピーマンを丸ごと置き、オーブンの上火で、ときどきひっくり返しながらまんべんなく焦がしていく。いい香りが台所にただよう。新聞紙でくるんで10
分待ってから焦げた皮をむく。同じように焦がして皮をむいたトマトや玉ネギといっしょに包丁でたたいて混ぜ合わせれば、チュニジアの代表的なサラダ、メシュイアになる。ぼくは、焦がして皮をむいた赤ピーマンを縦に切り分け、オリーブ油、レモンのしぼり汁、塩、コショウで味をつけ、適当に切り分けた乾燥トマト、黒オリーブ、きざんだコリアンダーを散らす。夏の暑さがすっと引いていくようなおいしさだ。
メイン
赤ピーマンだけ、あるいは緑ピーマンと半々にして煮込んだものがピペラード。もうひと昔、友人に連れて行ってもらった、13区に今もあるバスク料理の名店<Auberge Etchegorry>で味わったピペラードのおいしさが忘れられない。ピーマンの甘さとエスプレット産唐辛子のバランスのよさ。仕上げにオーブンで焼かれ、上にのっているバスク産生ハムの脂がとけて味わい深かった。バスク風とよばれ料理には赤ピーマンが入ることが多い。たとえば子牛肉の煮込みAxoaアショワは、一度はつくってもらいたい。今が旬のサバのバスク風は、しみじみとした味わいだ。
チーズ
クロミエCoulommiersは、中世からイル・ド・フランス地方のクロミエ市近郊でつくられている白カビチーズ。熟成が進んで食べごろのものは、表面が軽く褐色がかってくる。クリーム色の身がとろりとしていてチーズ好きにはたまらない。カマンベールよりひとまわり大きく、1個500グラム以上ある。どこまでもクリーミーな味わいにクルミのような香りがある。まろやかな赤ワインで味わいたい。

デザート
ところどころに赤みがさしているオレンジ色のアンズabricotがおいしそうだ。洗ってからそのままかじったり、あるいは砂糖煮やジャムにする。友だちが食べにくるのなら、腕によりをかけて、アーモンドクリーム入りのアンズのタルトを焼いてみよう。

