
白い花をつけたマロニエ、新緑にもえるプラタナス…。朝市に出かけるのがますます楽しくなる。八百屋でも魚屋でも店頭の品数がふえて、あれにしようかこれにしようかとまよってしまう。
アントレ
なにをおいてもアスパラガスだ。白アスパラなら、シンプルにゆでたものが一番。レモン風味のマヨネーズをつくり、その半量のポマード状生クリームcrème épaisseを加えて柔らかな味わいにしたソースを添えるといい。グリーンアスパラガスもゆでてもおいしいが、ぼくはオリーブ油いためにすることが多い。
4人分で500グラム、根元5、6センチほどの固いところは切りとり、さらに皮むきナイフで中央から根の方に向けてさっさっと筋っぽい外側をむきとったら三つほどにはすに切り分ける。フライパンにオリーブ油をとって中火にかけ、押しつぶしたニンニク1片を入れ、熱くなったらアスパラガスを入れていためる。アスパラガスに軽く焼き色がつきはじめたら水少々を入れてふっくらとさせ、塩、コショウ。シンプルなだけにアスパラガスのうまみが生き生き。メインにつかいたいのなら小イカといっしょにペンネに加えた一品がおすすめ。
メイン
肉なら子牛肉がいい。子牛肉ならイタリア料理ということで、友だちがやってくるときなどはサルティンボッカをつくる。子牛肉、生ハム、香草のセージのトリオに歓声があがる。魚介類なら、魚が高くなっているけれど、近海ものでもキロ15ユーロ前後で手に入るタラ科のメルラン merlanを丸ごと揚げてみよう。揚げたてにレモンをジュっとしぼりかけて食べる幸せ!ラングスティーヌも5月が旬。万が一ザワザワと生きているのがあったりしたら、財布が空になりそうだが、もう「清水の舞台から…」です。
チーズ
ブリ・ド・モーBrie de Meauxは、高さは3センチ前後だが直径は35センチくらいはある大きな白カビチーズ。適当な大きさに切り分けてもらう。まろやかな風味とコクがあり、アンリ4世やルイ16世もこよなく愛したチーズとして知られている。チーズ屋に身がトロっとしはじめた食べごろのものがあったので、友人たちも来ることだしと大きめに買って、きょうのチーズはこれだけにしよう、と決めた。食卓に出したとたん、友人たちの目が輝いた。

デザート
5月はイチゴ!中でもガリゲット種は、やや小柄だが甘みと酸味のバランスが絶妙だ。こんなイチゴは、砂糖を添えるくらいでなにも手をかけなくてもいいのだが、たまには豪華に、折り込み生地をまず空焼きにするという手間はかかるけれど 、タルトにしてみよう。バニラ風味のカスタードクリームcrème pâtissierがイチゴのおいしさをひきたてる。
Crème pâtissier
鍋に牛乳500ccをとり、バニラ1本のさやからかき出した黒い種と、さやも加えて中火にかける。ボウルに卵黄4個と砂糖200グラムをとる。泡立て器で勢いよく混ぜ合わせ、白っぽくなってボリュームが増したら、小麦粉50gを混ぜ入れる。なめらかで均一になったら、熱くなった牛乳を、バニラのさやをとり出してから少しずつ混ぜ入れる。鍋にもどして今度は弱火にかける。やすみなくかき混ぜていき、グツグツと沸騰したら火からおろして冷ます。これさえおぼえればシュークリームもお手のもの。今回のレシピには、ホイップクリームをカスタードの1/3の量混ぜ込むと、口当たりが軽く、味もずっとまろやかになる。(真)

