料理は情熱。 2015-12-27 日本人シェフ 0 福山司さん(52歳) 初めてお会いした集まりの席で福山さんの言動をこっそり観察しながら、福山さんはフランス人社会の中で随分と揉(も)まれてこられたのだろうと思った。熊本生まれ、大阪の学校を出て就職した店の先輩に「パリへ行ってこい」と言われて1986年に渡仏した福山さんは、最初の [...]
マダム・キミのシルバーラウンジ:12月1日号 2015-12-10 シルバーラウンジ 0連載コラム パリで木村宇佐太郎さん(82)を知らない日本人在住者はいないだろう。昭和9年横浜生まれの木村さんは、青少年期から父親のおせんべい製造業を手伝う。彼が琴や三味線、桜人形、折り紙の技能に秀でているのは、手仕事が好きで叔母さんに仕込まれ、歌舞伎などにも連れていってもらったからだという。 [...]
料理は自分自身。 2015-11-20 日本人シェフ 0 澤地はるかさん(34歳) めぐり逢い。子どもの頃から和食の料理人に、と勉強・修行をしてきた澤地さんが、フランス料理も知っておこうとこちらへ来てから、様々な店で料理人としての実地を踏み、後に自分の店を持つまでの道を開いてくれたのは、東京でアルバイトをしていた店のシェフが紹介してく [...]
マダム・キミのシルバーラウンジ:11月1日号 2015-11-12 シルバーラウンジ 0連載コラム クミコさん(83歳)は満州に生まれ、10歳の時、家族と横浜に引き上げた。1964年、クリス ・マルケル監督の『不思議なクミコ』を演じる。65年、来仏。映画関係のフランス人男性と結婚したが、数年後に離婚。双子の娘(作家と建築家)がいる。彼女は詩人・作家でもあり、芭蕉の句の翻訳もして [...]
料理、そして人との幸運な出会い。 2015-10-21 日本人シェフ 0 渥美創太さん(29歳) 地元千葉県の高校時代にはプロを目指すほどスノーボードに熱中していた渥美さんは、不運な骨折により進路変更を余儀なくされ、担任から薦められた専門学校リストからフランス料理を選ぶ。ただ、食べることは好きでも、料理をすることにはそれほど関心がなかったという。 学校 [...]
マダム・キミのシルバーラウンジ:10月1日号 2015-10-01 シルバーラウンジ 0連載コラム ルイズ・正子さん(87歳)はトゥールーズ在住。06/07年に出版(未知谷社)された自伝2巻『ルイズが正子であった頃』『正子がルイズに戻った後』は、戦前・戦中の日仏家族の長崎、サイゴンでの生き様、軍国時代の混血児と村民の関係、彼女自身、子供6人を抱えての仏生活まで、痛快小気味よい [...]
料理が一番好き。 2015-09-20 日本人シェフ 0 中山豊光さん(44歳) ご本人に失礼かもしれないけれど、中山さんと話をしながらとても懐かしい気持ちになる。小学校、中学校のクラスにいた、ほら、あの彼だよね、と昔の同級生に出会った感じなのだ。それは「好き嫌いが多く」て「給食が苦手」だから自分で料理をし始めた、という中山さんの言葉が [...]
マダム・キミのシルバーラウンジ:9月1日号 2015-09-08 シルバーラウンジ 0連載コラム M子さん(67歳)は68年世代。70年代、義兄がベルリン自由大学で日本学の客員教授を務めていた関係で大卒後ベルリンへ行き、社会学科大学院生U氏と知り合う。旧東独で通訳したこともあり、東アジア研究所にも勤める。 85年にドイツからフランスに来た動機は? 反ナチス世代のUはドイ [...]
マダム・キミのシルバーラウンジ:8月1日号 2015-08-15 シルバーラウンジ 0連載コラム ヴィアジェ年金(Rente viagère)について フランスで18世紀後半につくられたヴィアジェ契約は、世界でもめずらしい。今日の物価高のなか、年金で全てをカバーするのはむずかしくなっている。最近は不動産を遺族に残すよりもビジネスライクにヴィアジェ契約で売却し、豊かな余生を目 [...]
料理は仕事以上のもの。 2015-07-18 日本人シェフ 0 石田克己さん(52歳) 「僕はリヨンで店をやっていまして」と、パリのとあるレストランのテラスで石田さんに言われたのはずいぶん前、以来気になっていた人だった。フランス料理のきらびやかさ、ヌーヴェル・キュイジーヌの立役者の一人であるシェフ、アラン・シャペルに憧れて、神戸、東京のフレン [...]