モンテーニュの食と喜び〈第1回 〉ルネサンスの偉人 2020-06-09 モンテーニュと食の喜び 0連載コラム ミシェル・エイケム・ド・モンテーニュ(1533-92)。この、ちょっと仰々しい名前の思想家は、ボルドーに近い貴族の家に生まれ育った。ルネサンス文化が花開いた16世紀フランスが誇るこの人物は、はやくも30代後半に法曹界をリタイヤし、念願の隠遁生活をスタート。途中、政治的な理由でボ [...]
ルソーの静かな食卓 〈15〉 2020-05-10 ルソーの静かな食卓 0 根っからの頑固さや被害妄想のせいで多くの友人たちと仲違いしたルソーが、亡くなる2年ほど前に書き始めたのが『孤独な散歩者の夢想』(1782年)。「こうしてわたしは地上でたったひとりになってしまった」(今野一雄訳)と書き出したルソーのかたわらには、しかし、妻のテレーズがいた。ある時 [...]
コロナ:パリ市長、5.11ロックダウン解除について。学校、交通、商店・飲食店支援、文化…。 2020-05-06 ニュースパリの出来事 0covid-19 アンヌ・イダルゴ=パリ市長は、5月5日付のル・パリジャン紙に、5月11日以降のロックダウンの段階的緩和のビジョンを語った。 【学校】 1クラスは可能であれば10人以下の少人数に(政府方針では15人まで)。幼稚園は1クラスを10人以下にすることを区長らと検討。5月14日時点で、生 [...]
ルソーの静かな食卓 〈14〉 2020-04-09 ルソーの静かな食卓 0 18世紀の哲学者ルソーの人生を振り返ると、その複雑怪奇な性格や、行動の矛盾に気づかざるを得ない。その中でも特に驚かされるのが、後に多くの貴族も手本としたといわれる教育書『エミール』(1762年)を書いておきながら、自らの子どもを実に5人とも孤児院に入れたという事実。 もっとも、 [...]
Tonnellerie Rousseauのワイン樽 2020-03-23 MADE IN FRANCE 0連載コラム ワイン樽から少量のワインを抜いて試飲する光景。これは実際に体験しなくとも、フランス人の頭にすり込まれた原風景と言ってもいいかもしれない。ステンレスタンクが主流となった今でも、あるレベル以上のワイン(大体15〜20€以上)は木製の樽で発酵・醸成される。その樽造りを見るため、高級ブ [...]
ルソーの静かな食卓 〈13〉 2020-03-11 ルソーの静かな食卓 0連載コラム 何においても「節制」を美徳とする哲学者ルソーだけれど、何も、日常の小さな悦びを否定しているわけではない。ごく若い時から、甘いものとワインは暮らしの中のささやかな慰めだった。『告白』(1770年)に、こんなくだりがある。「いったん大事な菓子パンを手に入れ、部屋にとじこもり、戸棚の奥 [...]
Ateliers Ducheminのステンドグラス 2020-02-22 MADE IN FRANCE 0連載コラム 外光を受けて浮かび上がる素朴な絵柄と深みのある色に目を瞠(みは)らされるステンドグラス。シャルトル大聖堂、パリ・シテ島のサント・シャペルなどフランスには有名なステンドグラスを持つ教会が多数あるが、ホテルや店舗、住宅にも使われるステンドグラスは現代に生きるフランスの文化遺産だ。 キ [...]
ルソーの静かな食卓 〈12〉 2020-02-06 ルソーの静かな食卓 0連載コラム フランス18世紀は、性愛に対して自由だったとされている。ルソーとも一時期交友があった哲学者のディドロなどは、ポルノと呼ばれてもおかしくないような小説をものした。だが、プロテスタントの教えを受けて育ったルソーにとって、快楽はどこか罪深いもの。大流行したルソーの恋愛小説『新エロイーズ [...]
Agnès b.のカーディガン・プレッション 2020-01-22 MADE IN FRANCE 0連載コラム シンプルでいながらシックなカジュアルウェアとして日本でも人気のあるAgnès b.(アニエスベー)。ファッション誌「Elle」のスタイリストだったアニエスさんは1973年に自分のブランドを立ち上げ、パリのエスプリにあふれた製品を作り続けてきた。なかでも、スナップボタンが特徴の「カ [...]
歩いてゆこう。 2020-01-15 パリの出来事 0 いつもの歩道は人でいっぱいだ。12月5日に年金改革への抗議から公共交通のストが始まって以来、駅前広場、大通りや小路、いたるところで歩く人々の流れが絶えない。パリにもこんなに多くの人がいたのだなと、あらためて認識する。自転車やキックスケーターも人気だ。レンタル自転車は不足するから、 [...]