D’une rive à l’autre 2016-07-22 音楽 0 伝説的なベース奏者、ケント・カーター、トランペッター沖至、サックス奏者シルヴァン・ゲリノー、ドラマー佐藤真のニューアルバム。「この4人は、フリージャズ独特のエネルギーに溺ぬよう気をつかい、想像力を分かち合いつつ、沈黙へと求心していく混じりけのない瞬間を重ねる。かつて録音されたこ [...]
マロヤよ、そのままで:アラン・ペテルス 2016-07-17 音楽 0 レユニオン島の詩人・音楽家のアラン・ペテルスは1995年の7月12日に43歳で亡くなっている。今年2月の当欄でクリスティーヌ・サレムを紹介した時に、レユニオン島の音楽マロヤが2009年にユネスコ世界文化遺産に登録されたと書いたが、マロヤ復興のパイオニアのひとりだったペテルスはそ [...]
ルノー自伝『迷える子のように』を読む。 2016-06-21 音楽 0 長年の強度のアルコール依存症のため再起不能と言われていたルノー(64歳)が、9年ぶりに新作アルバムを発表し、音楽CD業界危機の昨今からは考えられぬ破格の50万枚の売上でチャート1位を独走し、この10月から来年5月まで「フェニックス・ツアー」と称する全国ツアー (パ [...]
Sainkho Namtchylak “Like A Bird Or Spirit, Not A Face” 2016-06-09 音楽 0 10年ほど前、「Banlieues Bleues 」フェスティバルでサインホ・ナムチラクを聴いて「一体これは何なんだ!」と度肝を抜かれた。うめき声、鳥のさえずり、舌打ちのリズム、モンゴルのホーミー(喉歌)…が、舞台に不思議な空間を作り、ベースのウィリアム・パーカー、打楽器のハミ [...]
Yehudi Menuhin “The Complete American Victor Recordings” 2016-05-23 音楽 0 ユーディ・メニューイン生誕100年記念のCD6枚組で、1928年から1951年までの演奏が収められている。一番の聴きものは、1945年録音のブルックのヴァイオリン協奏曲。これだけ情熱が昇華している演奏は他にない。モノラルだが、ストラディヴァリウスの響きが美しい。49年録音で初C [...]
レ・ヴィキング - ズーク以前のグアドループ島の音楽。 2016-05-18 音楽 0 20世紀の話。それまでFNACに行けばあらゆるレコードが手に入ると思っていたが、そこに置かれていないものが、バルベスやピガールやシャトー・ルージュで売られていることを知ったのは80年代後半のことだった。マグレブ(カセット)、アフリカ、アンティルの音楽は、その出身者たちの間だけで大 [...]
Ten Years After 2016-05-13 音楽 0 60年代半ばから、英国には素晴らしいギタリストが続出する。ジェフ・ベック、エリック・クラプトン、ジミー・ペイジ、ジョン・メイオール、そしてアルヴィン・リー。彼が率いるテン・イヤーズ・アフターは、1969年のウッドストックで『I’m Going Home』を演奏し、ア [...]
Arno “Human Incognito” 2016-05-02 音楽 0 先週、ブリュッセルにアルノーを聴きに出かけた。多発テロの犠牲者追悼のメッセージや花で覆われた証券取引所と目と鼻の先にある会場は満員でエネルギーにあふれる。 新しいアルバム『Human Incognito』からの曲で始まった。バンドが若返り、ギターはうなり、ドラムスは強靭なリズム [...]
自転車とローラーとヌーヴェル・ヴァーグが好き。 2016-04-19 音楽 0 「私が3歳の時に、あの車が発売されたのよ」と、オリジナルは私なのにと言いたげな顔。でもそれは他ならない自分の名前だし、そう呼ばれたい名前だから。クリオ・トゥルヌー(本名)はステージネームを「クリオ」としてデビューした。生まれも育ちもフランスの極東、フランシュ・コンテ地方の主邑(し [...]
CD : Lou Reed “Berlin” 2016-04-17 音楽 0 ロック界の孤高の名盤だけれど、その底知れない暗さのせいかラジオにも流れないので、知らない人が多い。娼婦キャロラインとジムの出会いから、彼女の自殺までを追ったコンセプトアルバムで、リードが見据える人間世界の暗部が、心をえぐる詩と歌で表現されている。「でも、彼女は死なんてこわがってな [...]