CD : Amalia Rodrigues “Segredo” 2016-11-20 音楽 0 アマリア・ロドリゲスのファンなら、初期からのオリジナル・アルバムの復刻を揃えていけばいいのだが、「1枚だけ」というならこのアルバム。1965年から75年までの全盛期の名唱が収められているだけでなく、未発表の作品が素晴らしい。たとえばアルバムの1曲目『Medo』の出だしで胸がいっぱ [...]
CD : B.Grosvenor “Homages” 2016-10-22 音楽 0 今一番注目されているピアニスト、ベンジャミン・グローヴナーは、英国生まれで24歳。2年前に出た『Dances』は、評論家に高く評価された。この新アルバムも考え抜かれたプログラム。バッハ作曲ブゾーニ編曲の『シャコンヌ』は、左手の切れのよさもあってポリフォニーのラインが明確で優雅な [...]
世にもフランシュイヤールなB級ロックンロール 2016-10-19 音楽 0 文・向風三郎 昨年11月の本欄で紹介した 『フランス・シェブラン』を監修したジャン=バチスト・ギヨーのボーン・バッド・レコーズから、またまたクセものの珍盤の復刻。復刻と言ってもオリジナルを見た人はまずいないはず。1994年、ラ・ロシェルの若者が自主制作500枚限定で出した4曲入 [...]
少年の日のワンダーランドと殺戮の地獄の間にある小さな国 2016-09-22 音楽 0 ガエル・ファイユの初小説『プティ・ペイ』を読む 今これを書いている時点で、ガボンの8月末の大統領選挙後の激しい暴動の報道が続いている。悲しいかな珍しいことではない。アフリカのある国々では,恒例事のように選挙の後クーデターや暴動が起こり、おびただしい死傷者が出る。これは土地柄ではな [...]
Festival de l’Orangerie de Sceaux 2016-08-05 音楽 0 8月13日から9月18日まで、パリ郊外にある緑の美しいソー公園のオランジュリーで、クラシックの室内楽フェスティバル。 8月13日 は、リヨン音楽院出身の若手からなるエルメス弦楽四重奏団。最近全曲録音したシューマンの弦楽四重奏曲から抒情的な1番を演奏。素晴らしい終楽章を持つハイドン [...]
D’une rive à l’autre 2016-07-22 音楽 0 伝説的なベース奏者、ケント・カーター、トランペッター沖至、サックス奏者シルヴァン・ゲリノー、ドラマー佐藤真のニューアルバム。「この4人は、フリージャズ独特のエネルギーに溺ぬよう気をつかい、想像力を分かち合いつつ、沈黙へと求心していく混じりけのない瞬間を重ねる。かつて録音されたこ [...]
マロヤよ、そのままで:アラン・ペテルス 2016-07-17 音楽 0 レユニオン島の詩人・音楽家のアラン・ペテルスは1995年の7月12日に43歳で亡くなっている。今年2月の当欄でクリスティーヌ・サレムを紹介した時に、レユニオン島の音楽マロヤが2009年にユネスコ世界文化遺産に登録されたと書いたが、マロヤ復興のパイオニアのひとりだったペテルスはそ [...]
ルノー自伝『迷える子のように』を読む。 2016-06-21 音楽 0 長年の強度のアルコール依存症のため再起不能と言われていたルノー(64歳)が、9年ぶりに新作アルバムを発表し、音楽CD業界危機の昨今からは考えられぬ破格の50万枚の売上でチャート1位を独走し、この10月から来年5月まで「フェニックス・ツアー」と称する全国ツアー (パ [...]
Sainkho Namtchylak “Like A Bird Or Spirit, Not A Face” 2016-06-09 音楽 0 10年ほど前、「Banlieues Bleues 」フェスティバルでサインホ・ナムチラクを聴いて「一体これは何なんだ!」と度肝を抜かれた。うめき声、鳥のさえずり、舌打ちのリズム、モンゴルのホーミー(喉歌)…が、舞台に不思議な空間を作り、ベースのウィリアム・パーカー、打楽器のハミ [...]
Yehudi Menuhin “The Complete American Victor Recordings” 2016-05-23 音楽 0 ユーディ・メニューイン生誕100年記念のCD6枚組で、1928年から1951年までの演奏が収められている。一番の聴きものは、1945年録音のブルックのヴァイオリン協奏曲。これだけ情熱が昇華している演奏は他にない。モノラルだが、ストラディヴァリウスの響きが美しい。49年録音で初C [...]