しょっぱい音符 11月15日号 2015-11-24 音楽 0 ミッテランのブギー・ワンダーランド。 言葉の流行り廃りは激しい。今日びの日本の人たちは数カ月前に普通だった表現でも「それ死語」と切り捨てる。昭和日本人の私は、一時帰国のたびに死語を連発して浦島太郎と化してしまう。滞仏36年ですから。だからフランスで死語になった言葉も知っている。例 [...]
Diapason d’or / Beethoven 2015-11-19 音楽 0 音楽雑誌 Diapasonが企画した、この13枚組はすごく面白い! ベートーヴェンのピアノとヴァイオリンの協奏曲の過去の名演奏を、現役のピアニスト、ヴァイオリニストが選曲している。現在期待のピアニスト、ベンジャミン・グローヴナーは、ピアノの1番にシュナーベルの演奏、ヴァイオリニ [...]
Arcadi Volodos “Mompou” 2015-11-07 音楽 0 ミケランジェリがモンポウの曲を一曲だけ弾いていて、気になっていた作曲家だったのだが、最近ロシアの名ピアニスト、ヴォロドスによるモンポウ集が出た。 2曲目の『君の上には花ばかり』で彼の内省的な音の世界のとりこになってしまうだろう。少ない音数の中に、心の動きを反映した自然な音の流れ。 [...]
Kasse Mady Diabate 2015-11-03 音楽コンサート 0 796muフィルハーモニー・ド・パリでのサリフ・ケイタ率いるレ・アンバサドゥールの公演は早々と予約満席。それでガッカリすることなく、ボクらはカセ・マディ・ジャバテを聴きに行こう。 13世紀から続くグリオの家系に生まれたカセ・マディ・ジャバテは、村の祭りなどでマリ王国の英雄譚を歌 [...]
“ Lully, l’Orchestre du Roi Soleil ” 2015-10-19 音楽 0 ダンスの名人で、音楽家や詩人を大切に扱ったルイ14世だが、今年の9月1日で、この「太陽王」が亡くなってちょうど300年たった。 宮廷は大がかりなオーケストラを有し、楽長ジャン=バティスト・リュリが作曲し、自ら指揮する音楽が宮殿から絶えることがなかったという。どこまでも優雅で華やか [...]
しょっぱい音符 10月15日号 2015-10-18 音楽 0 シャンソン・アンダーグラウンドの力持ち。 大衆音楽におけるフランス語表現という時事問題。古くは1994年、FM音楽放送全盛時代に、オンエアされる楽曲の最低40%はフランス語表現でなければならない、と定めた法律。英米ヒット曲満載のFM電波に、シャンソン・フランセーズのシェアを確保 [...]
Mbongwana Star “From Kinshasa” 2015-09-18 音楽 0 ココ・ンガンバリとテオ・ンゾンザというコンゴのリンガラポップのベテラン歌手2人が、若いミュージシャンを集めて誕生したムビングワナ・スター。そのデビュー盤が、とにかく陽気に踊れて抜群の出来だ。ムビングワナは「変化」という意味らしいが、従来のコンゴ風ルンバを期待していると、みごとに裏 [...]
しょっぱい音符 9月15日号 2015-09-15 音楽 0 92年前、難民と共に旅した音楽がある。 マリア・シモグルーは、ギリシャ北部中央マケドニア地方のテッサロニキ(ギリシャ第2の都市)で生まれた。マケドニア、トラキア、小アジア(アナトリア)の民謡を伝える家柄に育ち、テッサロニキの国立音楽院でギリシャ古典音楽とクラシックを学んでいる。マ [...]
The Virgin Suicides 15ème anniversaire 2015-09-07 音楽 0 ソフィア・コッポラの処女作『ヴァージン・スーサイズ』にファンが多いのは、理由なく自殺する五人姉妹の存在が優れた映画的感覚で描かれていることもあるし(四女を演じるのが若きキルステン・ダンスト!)、エールの音楽が、少女たちの透き通るような美しさを反映しているからだろう。『ヴァージン・ [...]
しょっぱい音符 7月15日号 2015-07-20 音楽 0 文・向風三郎象徴の森のブラックバード、オーレリアン・メルル。 メルルは黒ツグミ。姿こそあまり美しくないが、えも言われぬ美しい声で鳴く。ビートルズの 「ブラックバード」、シャンソンの 「さくらんぼの実る頃」に歌われたおしゃべり鳥だ。こんな音楽的な名前だから、てっきり芸名だと思って [...]