エキゾチシズムの分かち合い。Biennale de Lyon 2000-08-01 アート 0 ミレニアム記念、第5回目のリヨン・ビエンナーレが開かれている。コミッショナーは「大地の魔術師」展で論争を呼んだジャン=ユベール・マルタンだ。 彼は今回は、5人の民俗学者の協力を得て、非常に面白い切り口で、現代美術のカテゴリーを組み立てている。22の主題は、ポストコロニアルな状 [...]
脳裡にある世界。”Voila” 2000-07-01 アート 0 世界をいかに掴むか? そもそも世界とはいったい何なのか? 世界とは掴めるものなのか? アーティストたちは現実の世界をどのように見、観察し、空想し、作品化するのか? ミレニアムを記念して、市立近代美術館が全館を開放し、秋まで続く大規模な現代美術展だ。ボルタンスキーとラヴィエを顧 [...]
ルーブル美術館の〈原初芸術〉。 2000-06-01 アート 0 この4月、ルーブル美術館に〈 les arts “premiers”/原初芸術〉部門が開設された。以前は “primitifs (原始)” 芸術と呼んでいたのを “lointains (太古)” 芸術とい [...]
ユダヤ人の個人史でもある。 Lasar Segall展 2000-04-01 アート 0 ラザール・セガールは、1891年リトアニアの首都ヴェルナに生まれたユダヤ人である。ロシアの混乱をのがれて、ベルリンで美術教育を受けた彼は、1910年、ドレスデンに移り住む。ドイツ表現主義の影響を強く受け、1919年、他の表現主義アーティストらと共に、グループ1919を結成。19 [...]
投影されるイメージでフォルムを再構成。 James COLEMAN展 2000-03-01 アート 0 1941年、アイルランドのダブリンで生まれたジェームズ・コールマンは、コンセプチュアル・アートの作家として国際的に知られている。60年代末から、写真、スライド投影、ビデオ、映画、さらには「活人画」の人物たちなどに頼りながら、伝統的なフォルムをくずそうと試みてきた。コールマンにと [...]
歴史をどのように書くか、の考察。 The Poetics Project (1977-1997) 展 2000-02-01 アート 0 つい最近フランス国立近代美術館が入手したマイク・ケリーとトニー・アウスラーの「ザ・ポエティクス・プロジェクト」は本来、1997年にケッセルで開催されたドクメンタ展のために制作され、東京のワタリウム美術館でも展示された。 マイク・ケリーはアメリカ大陸とヨーロッパの過去10年間の [...]
素材が語る布。 Anni Albers展 1999-12-01 アート 0 アニー・アルバースは、存命なら今年でちょうど100歳。彼女は、1922年にバウハウスに入り、バウハウスが閉鎖される1933年まで制作を続け、その後、夫で画家のヨーゼフ・アルバースと米国に移住する。バウハウスのテキスタイル・アトリエの生徒の中ではおそらく一番の才能の持ち主であり、 [...]
集団的アクティヴィスムと表現の社会性。 ZAC 99から[CORPS]SOCIAL 1999-11-01 アート 0 最近興味を惹かれたのが、市立近代美での「ZAC 99」展と美術学校で開催されている「 [CORPS]SOCIAL」展である。 前者は、集団で活動している15のグループの展示だが、これは展示現場そのものが活動の場であって、ある作品を展示するという従来の機能からはみだしたものである [...]
都市の記念碑をギャラリーに。 Thomas Hirschhorn展 1999-10-01 アート 0 トーマス・ヒルシュホルン (1957年ベルン生まれ、1984年よりパリ在住) は1997年末、造形美術部門のケルン国際賞に選ばれたが、メセナが選考委員会と対立して受賞者の選択に異議を唱えたため、結局賞は授与されずに終わってしまった。しかしながら、その栄誉を称えようとルドウィグ美 [...]
同時進行する世界の光景。 Les plus beaux plans du monde 1999-08-01 アート 0 — 男の頭に弾丸を撃ち込む兵士。崩れるように倒れた男の頭から血が噴き出す。— タラップを降りながら笑顔で手を振るスターたち。マリリン、ディートリヒ、BB。— フランスの国土解放後、撤退するドイツ軍の列に唾をはきかける男 — 膨大な [...]