エキゾチシズムの分かち合い。Biennale de Lyon

 ミレニアム記念、第5回目のリヨン・ビエンナーレが開かれている。コミッショナーは「大地の魔術師」展で論争を呼んだジャン=ユベール・マルタンだ。
 彼は今回は、5人の民俗学者の協力を得て、非常に面白い切り口で、現代美術のカテゴリーを組み立てている。22の主題は、ポストコロニアルな状況を充分踏まえたうえで、世界の様々な国の美術家に同等に開放された。「治癒する」「死ぬ」「コスモス」「苦しむ」「愛する」「食べる」などで、ここでいう「エキゾチシズムの分かち合い」は、異文化との激しい葛藤と共存の情念によって示されているといっていいほどである。 
 「住む」のテーマでは、A+P・ポアリエが近代都市の崩壊する様をエキゾチックな風景として捉えているところに、強烈なインパクトがある。 
 「領域」では、カメルーンのB・トグオがヴィザのスタンプを拒否することを木彫で表現している。「苦しむ」では、台湾のC・チェンは「自滅」という題で、南京虐殺や日本軍の暴行を想起させるような光景をモノクロ写真で表現し、中山ダイスケは笑いながら刃物で刺し合うカップルや親子を写真に撮る。「異国趣味にする」では、福田美蘭は、京人形の肌を黒人にし、伝統的日本画の日の出の陽をハート型にするというラディカルな転換をおこなう。
 こうして、世界の今日の美術家の作品を見ると、文明や社会批評の美学的作業が、そのまま現代の美術として機能しうることを確認できる。
 欧米以外の地域の文化や美術から発想を得ながら仕事を展開している欧米の作家もいればその逆もいる。また宗教や偶像崇拝的なヴィジョンを表現に取り入れている作家もいる。世界の多様性と現状はこれだけ豊饒な表現を可能にしているのだから、ますますこうした場があらゆる国の作家に与えられることを期待したい。(Kolin)
*Biennale de Lyon :
Halle Tony Garnier, Mus仔 d’Art
contemporain 9月24日まで
A+P. Poirierの「エギゾチカ」 photo : Blaise ADILON
Picasso, sculpteur
ピカソの立体作品だけを約300点集めた展覧会が開かれている。このようなかたちでピカソ作品が展示されるのは稀であり、また展示作品は1902年から1962年にかけて制作されたもので、彼の仕事全体を把握するよい機会でもある。
 使用素材はブロンズ、石膏、木といった”クラシック”な物、その他、砂、木片、紙、針金、不要になった日用品、どこかで拾った物、それから晩年に多く使ったセラミックなどとバラエティに富む。ただ”クラシック”な素材でも使用法は革新的だ。自由なフォルム、組み合わさり、交換し合うエレメント、彼の着想の豊かさには心を動かされてしまうだろう。
 初期にはロダン、のちにドガやゴーギャン、またアフリカ・オセアニア芸術の影響を受けていたというピカソ。木彫 “3つの裸体” (1907) は優美であり、針金の抽象作品 “アポリネールに捧げるモニュメントのためのプロジェクト” (1928) は生き生きとして力強く、息子クロードのおもちゃの車2台で頭部をこしらえた “雌猿とこども” (1951) は遊び心に溢れる。さらにキュビスム時代の作品や、立体的絵画作品(あるいは絵画的立体作品)を見ていると、ピカソにとって2次元と3次元の境目は曖昧であり、彼の絵画は立体作品と極めて緊密な関係があることがわかる。そしてなによりも、素材の如何にかかわらず、必ず何かを形作ってしまうピカソの表現力に驚かずにはいられない。(ヤン)
*ポンピドゥ・センター : 9/25迄(火休)
●<L’art copte en Egypte>
ローマ支配下のエジプトに生まれたコプト文化は、紀元2世紀にエジプト北部の風習を一変させた。コプト文化の芸術。 Institut du Monde Arabe: 1 rue des
Fosses-Saint-Bernard 5e 9/3迄(月休)
●Charles Le BRUN
1806年にナポレオン博物館の依頼で制作された銅版画。鷲、狐、山羊など、動物との類似から見る人相一覧。9/11迄
ルーブル美術館 (火休)
●<Desirs de rivage>
第1回国際海洋写真ビエンナーレ。テーマは「海岸」。9/18迄
海洋博物館: Place de Trocadero 16e (火休)
●<Dans le champ des etoiles-
Les photographes et le ciel,1850-2000>
人々は「空」をいかに表現しようとしてきたか。前世紀から今日までの写真、デッサン、ミニチュア、ビデオが、科学と芸術、現実と幻想の間を行き来する。9/24迄 オルセー美術館 (月休)
●<Changement de temps: la Respiration>
7人の現代アーティストが、フランス国内7カ所の歴史的建造物に「今」を絡み合わせる「時の移り変わり」展。パリ市内では、パンテオンにトルコ人Sarkisが音と光でインスタレーション。9/30迄

●<Les premiers et les derniers>
ブルース・ノーマン、バスキアなどの現代作家の作品と、アフリカ、アセアニア美術を対峙させる。10/8迄
Centre Wallonie-Bruxelles: 127-129 rue St.Martin 4e (月休)
●Gaston CHAISSAC (1910-1964)
無邪気で素朴なフォルムが踊る。同時代の多くの作家に影響を与えた絵画やコラージュ。11/29迄
Galerie National de Jeu de Paume:
1 place de la Concorde 8e (月休) 
<バカンスで地方へ行ったら>
●<Le nu au 20e siecle>
セザンヌ、ロダン、クリムト、ピカビア、バルチュス、ベーコン、フィッシェル…今世紀を代表する35作家の作品を「ヌード」をテーマにチョイス。絵画、彫刻、デッサンなど140作品。10/30迄
Fondation Maeght:
06570 St-Paul de Vence
●<Art Papou>
パプア・ニューギニアの美術作品300点を展示。8/30迄
Centre de la Vieille Charite

2 rue de la Charite13002 Marseille

●<Avignon, La Beaute>

アヴィニョンの町を挙げてのアートフェスティバル。テーマは「美」。10/1迄

●<Rendez-vous / Collection Lambert>

やはりアヴィニョンで、パリのギャラリストの大御所 Yvon Lambert がコレクションを公開。コンテンポラリーアートの有名な作品に出会える。9/25迄

Hotel de Caumont:

5 rue Violette 84000 Avignon

●ニース市の展覧会

<イヴ・クライン展> 9/4迄 (火休)

近代美術館: Promenade des Arts

<シャガール、アメリカの時代> 9/18迄

Musee National du Message Biblique Marc Chagall: 36 av Dr Menard (火休)

<マティス、夏の青> 9/25迄
Musee Matisse:

164 av. des Arenes de Cimiez (火休)

●<Andy Warhol: Pop’Icones>

アンディ・ウォホールの作品展。9/24迄

Palais Benedictine: 110 rue Alexandre Le Grand 76400 Fecamp


 

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