人間への共感と信頼…。 “Willy Ronis (1910-2009)” 2010-07-30 アート 0 フランス写真界の巨匠の一人、ロニスの回顧展が、写真専門美術館ジュ・ド・ポームの主催で8月末まで開かれている。冷房が効いていない狭い会場だが、人いきれで汗だくになっても心の中に清涼感が残る展覧会だ。 写真館を経営していた父からプレゼントされたカメラで撮る喜びを知ったロニスは家業を [...]
Yves Saint Laurent展 2010-07-15 アート 0 今回のお出かけはすぐに意見が一致して、イヴ・サンローラン(YSL)展へ。 本名はイヴ=マチュー・サンローラン、アルジェリアのオラン生まれ。クリスチャン・ディオールの死後1957年に、21歳という若さでディオールのデザインを任される。3年後に独立し自らのメゾンを立ち上げてからも常 [...]
夢が現実となったとき、 夢の使命は終わる。 “Dreamlands(夢の国)” 2010-07-01 アート 0 知らない国を手軽に体験してみたい、現実にないおとぎの国に行ってみたい…そんな欲望を満足させてくれる存在がドリームランドだ。フェイクだったり、周りの環境とまったくそぐわないキッチュな建物だったりする。そのミスマッチが魅力的と映るか、悪趣味と映るか。ドリームランドを求 [...]
「罪と罰」。日本の 死刑制度について再考。 “Crime et Chatiment” 2010-06-01 アート 0 テーマも展示品も重い。会場を回る間、見えない手で、中に血が入った張り子の石を頭の上からぎゅうぎゅう押さえつけられているような気がした。5月1日号でも軽く扱ったが、思い直して、きちんと紹介です。 長年死刑制度廃止のために闘い、ミッテラン政権下で法務大臣になって廃止を実現したロベー [...]
西欧の宗教美術にはない 構図を発見できて楽しい。 “Sainte Russie” 2010-04-29 アート 0 「フランス_ロシア2010年」の一環として9世紀から18世紀までのロシア正教の美術品400点を展示した、大掛かりな展覧会である。ロシアから一度も外に出たことがない作品がほとんどだ。 広い会場を行けども行けどもイコンが続く。あまりの中身の濃さに、出るときは頭の中はイコン [...]
見ているうちに ターナー像が変わっていく。 “Turner et ses peintres” 2010-04-01 アート 0 ロンドンのテート・ブリテンで昨秋開催されたターナー(1775-1851)展が、パリにやってきた。今年の展覧会の白眉である。「画聖」というにふさわしいターナーの作品が、初期から晩年まで、最後には疲れてフラフラになるほど見られる、ターナーファンにとっては堪えられない展覧会だ。パリ展 [...]
『それが人生だ! カラヴァッジョから ダミアン・ハーストまでの消えゆく生』 “C’est la vie! Vanites de Caravage a Damien Hirst” 2010-03-01 アート 0 天使が頭骸骨にもたれて眠っているポスターを見て、こんな気色悪い展覧会に人が入るのかと思っていたが、水曜日の午後は団体で満員だった。 題名のVanités(消えていくこと、虚栄)は、旧約聖書の伝道の書第一章に由来している。「Vanité des va [...]
イサドラは、自然を 唯一の教師とみなした。 2010-02-01 アート 0 “Isadora Duncan, une sculpture vivante” モダンダンスの祖で、当時の慣習に反して素足で踊ったことから「素足のイサドラ」とあだ名されたイサドラ・ダンカン(1877-1927)の生涯を追った珍しい展覧会が開かれている。心 [...]
トレードマークの仮面は アンソール自身の分身…。 James Ensor展 2009-12-01 アート 0 高校のころ、美術部の教師に引率されて、都会までアンソール(1860-1949)展を見に行った。がい骨や仮面をかぶった人物が殺人やノゾキや意味不明の行為をする絵は、田舎の高校生に強烈な印象を残した。ニューヨーク近代美術館MOMA主催のアンソール展が、オルセーで開かれている。昔好き [...]
どんな被写体でも 等価に扱われている。 Michael Kenna展 2009-10-30 アート 0 日本でも人気の英国生まれの写真家、マイケル・ケンナ(1953-)の展覧会が、2カ所で開催中。国立図書館は、1974年から2009年までの210点で、ほぼ回顧展に近い。写真専門ギャラリー、Camera Obscuraは、ニューヨークを中心とした作品群を選んだ。 写真はすべて白黒で [...]