フランス電力会社(EDF)の財務担当幹部トマ・ピクマル氏が3月初めに辞任したと7日付仏各紙が報じ、EDFもその事実を認めた。
EDFが2008年に買収した、英ヒンクリー・ポイント原子力発電所における欧州加圧水型炉(EPR)2基の建設計画が、財務的に無謀だというのが辞任の理由。EDFの経営悪化により、建設総費用233億ユーロのうち、中国企業投資分の33.5%を除く66.5%分をEDFが負担することはますます困難になっている。 ピクマル氏らの再三の求めに応じて、EDF株85%を保有する仏政府は、増資の形で18億ユーロの資金を注入したが、同氏は不十分と主張。この計画は英仏両政府も推進し、オランド大統領は「仏政府は全面支援する」と発言。しかし計画は何度も延期され、現時点では2025年操業予定になっている。財務担当幹部がさじを投げるというのは、相当深刻な事態なのだろう。(し)