2002年に『ぼくの好きな先生/Etre et Avoir』というドキュメンタリー映画がヒットした。舞台は山間の小さな学校。3歳から11歳の子供たちが同じクラスで仲良く学んでいた。かつて私はこの作品をほのぼのした気持ちで見ていた。ところがそれは他人のお話だからだった。
この9月にミラはCE2(小3)に進級したのだがクラス名は「CP/CE2」。つまりCP(小1)とCE2が一緒の混合クラスだった。実際に自分の子が混合クラスに入るとわかると途端に不安に。我ながら勝手なものである。ママ友によると今年CE2は人数が多いため、CPの子を入れたクラスを新設したという。先生が独りで2学年違う子を教えるなんて! 小1に足を引っ張られたらどうするのか。思わず担任の先生に詰め寄ったが、ベテランそうな先生は「まったく問題ないわ! フランスではよくあること」とニコリ。
なんとなくモヤモヤがとれぬままに1カ月が経過。ところがミラは意外にも「CPの子は面白いし去年より楽しい」と言うではないか。先生がCPを教えている間、CE2は自習をするそうだが、別に先生を横取りされるというケチな意識もないらしい。もともと混合クラスは比較的先生の話を聞く子が集められるため、かえって授業はスムーズに進むようだ。それに学年の違う子を身近に感じて良さそうである。最近は混合クラスで良かったかもと思うのだった。(瑞)