3月に就任したステファン・リシャール=フランステレコム(FT)社長が7月5日、同社の新戦略を公表した。社員の自殺が相次ぎ、技術者を営業に回すといった無理な配置転換や厳しい数値目標などが明るみに出たFTが、リシャール社長のもとで新たなスタートを切ろうとしている。
「2015年に向けての征服」と名づけられた戦略によると、社員が意欲を持って働けるような人事方式を採用するとともに、平均年齢47歳と高齢化している社員に新風を吹き込むべく、2012年までに国内1万人の新規採用を計画。インターネット・デジタルTV事業では、2015年までに光ファイバーのインフラを進め、全県で40%の世帯に普及させるため20億ユーロを投資するとともに、アフターサービスを充実させるという。さらに、国外市場の開拓に一層力を入れ、とくにアフリカ、中東などの新興国市場開拓によって、5年以内に同市場の売上を倍増させて70億ユーロにする(世界総顧客数を現在の1億9200万人から3億人に)。労組の信頼が厚いといわれる新社長のもとで、FTが計画通り飛躍することができるかどうか注目したい。(し)